三年半前、受験に成功し阪大に入学した。それまでの18年間では特に何かに打ち込んだ経験は無かった。そんな受動的な人生の中で最も大きな成功体験だった。努力することによって得られる満足感、努力が実る感覚がクセになっていたときだったと思う。そんなときにボート部に出会った。いや、強制イベントだったなアレは。クソでかい二人の先輩によるキャッチ、即エルゴチャレンジ、即試乗会。あぁなんかここに入部するのかなと思ってしまった。筋トレとか好きだったし、何よりここで四年間やり切ったら、とてつも無いなにかが得られるかもと思わせるような魅力をボート部に感じていた。
というわけでボート部に入部した。それからは無我夢中で部活に取り組んだ。とにかくヘロヘロになるまで頑張るのが気持ちよくて好きだった。それだけで満足していた。真冬に付きフォアで地獄を見たこともあったけど、今となってはそれもいい思い出だろう。
根底から間違っていた。
それまでの自分は頑張っているだけだった。でも阪大ボート部は頑張るための場所ではなかった。そこは勝つための場所だった。当たり前だった。そんな人たちの中に自分がいたのが申し訳なく、恥ずかしかった。今までの自分の言葉や練習が全て間違っていたような気さえした。同時に、自分と優秀な選手たちとの、恐らく最も大きな差の正体を見た気がした。情けないことに、こんな至極当然のことに後輩の真摯に競技に向かう姿を見て気付かされた。そこで、漸く選手として目が覚めた。
あまりに遅いスタート。だけど不思議と悲観はしなかった。むしろまだ時間があることに希望を抱いてもいた。まだやれることがある、と考えると自然に目標が決まった。まず、7分切らないと。この目標に向かって、あーでもないこーでもないと試行錯誤する日々がたまらなく充実しているように感じた。そしてラストシーズン三月に、6:58.4を記録した。たかが7分カット、たかがエルゴ、だけど、選手としても人間としても一皮剥けた気分だった。ローイングという団体競技をやっておいてこんな事を言うのは気が引けるが、このときが、ここまでやってきて最高の瞬間だった。
四年間通して、決して良い選手だったわけではないし、手放しで喜べるような戦績は残せていないし、後悔はある。でも、未練はない。
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こんにちは!先日ボート部を引退し、新新人コーチと相成りました理学研究科高分子科学専攻(予定)の今井大成と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
今回がラストブログということで、とっておきというわけではありませんが、思いの丈を語らせていただきました。
引退まで思えば早かったです。なんの根拠もなく、というかなんの道理もなくいつまでも続きそうなものだと錯覚していました。大変なときや辛いときももちろんありましたが、いざ終わりとなると寂しいものがありますね。
うまく行った練習、うまくいかなかった練習、楽しかったレース、しんどかったレース、食堂で大爆笑した日々、風呂・トイレ掃除の時のジャンケン大会、眠気に抗えず寝落ちしていた一限、和式便所で起こった怪事件、挙げ始めればキリがありませんが、その全てが今となっては懐かしいです。
ともあれ、終わりは終わり。潔く幕を引きましょう。
これまで関わってくださった全ての方々へ大いなる感謝を。ありがとうございました。
そして、愛すべき後輩たち、まだ見ぬボート部員たちの未来の活躍を祈っています!
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☆謝辞☆
・僕をキャッチしてくださった山本氏と山本氏
最高の出会いでした。
ありがとうございました!
・新人スタッフ(R3卒)の皆様
新人期すごく楽しかったです!あのときの思い出のおかげでなんとか最後までやりきれました。ありがとうございました。来年頑張るのでまだまだ応援してください!
・現役マネージャーの皆様
ありがとうございました!特にエッセンのマヨネーズに関してはご迷惑をおかけしました()。おかげで美味しくエッセンをいただけました。
・現役選手のみんな
僕は選手としては頼りなかったと思いますが、仲間として扱ってくれたこと、感謝しています。みんなとの練習が楽しかったことは、きっとずっと忘れないと思います。後輩たちへ、来年も再来年もその次も応援しています。後悔すらも残さないように頑張ってください!
・同期のみんな
仲悪い仲悪い言われてますけども()。まぁなんだかんだ言って俺はそこまでではないと思うんですよね。二年間も(ほぼ)最上回やってたらそら色々あるでしょう。結局のところ同期と部活やってて普通に楽しかったし、俺は大して何もやってないけど、部を支えてくれた同期たちには尊敬も感謝もしてます。ありがとう。来年も頑張りましょう。^ ^
うれしかったんだもん。ケータイの暗証番号これにしちゃおっかな!?
レースの写真でも乗っけておくか。