事の発端はインカレオフの時の学年旅行2日目。僕たちの学年は三重県の伊勢周辺に旅行に行きました。その日は午前中から伊勢神宮にお参りに行き、参った後は風情ある「おかげ横丁」という通りで食べ歩きをしていました。そこで僕はとあるお店のある商品を見つけました。「伊勢海老の塩焼き」です。値段は確か1600円でした。塩焼きにしては高いですが、伊勢海老だし観光地だしこの値段で伊勢海老を味わえるなら1600円払ってでも食べたいと思いました。なので一緒に歩いていた何人かに食べようと提案し、話し合った結果僕、うめ、だいすけ、いまいくんの4人で400円ずつ出して4等分し、じゃんけんで勝った順番に食べていこうということになりました。確かいまいくん、僕、大祐、梅の順番です。購入し、おいしそうな伊勢海老と爪楊枝が渡されました。まずはいまいくんのターン。渡された伊勢海老は下の絵のような感じでした。思ってたよりは大きくありませんでした。

 

 

 1番だったら真っ先においしそうなブリブリの身の部分を誰もが食べたいですよね。とはいえ4等分だし、空気を読んで爪楊枝できれいに分けて食べるはず...。と思っていたのも束の間、今井君は身の部分を半分以上も食べてしまいました。話が違う。これには残り3人が大ブーイング。当時今井君は「4等分にしようと思ったら身がついてきた」と言い訳してました。残り3人はちびちびとわずかな伊勢海老を食べました。うめなんてほぼ味噌の部分しか食べてないです。この時僕はまた今度伊勢海老食べてやると決心しました。

 

 それから時が経ち忘年会の時期が近くなりました。今シーズンの忘年会は僕たちの代が奢る番でした。ということは自分たちの食べたいものを食べることが出来るということです。僕は学年旅行でのあの事件を思い出し、伊勢海老料理を食べたいとペアのるいちゃんに提案し、忘年会は伊勢海老を食べることになりました。確か僕たちの料理の決定は他のペアよりも早かった気がします。また、一時期空き時間にずっと伊勢海老について調べてる時がありました。それくらい食べたかったんです。

 

 そして迎えた忘年会、僕はその週の最初の方に体調を崩していたのですが、何とか回復し、例年通り、1回生の一芸披露、そして下回生がお店決めまでしました。その後予約の時間まで時間があったので合宿所で待機していました。でも異変を感じました。なんか喉がかゆい気がするし、体温も熱い気がする。熱を測ると37.3℃。微妙。でも最近まで体調崩していたし、艇庫でインフルの人も出てました。だからもしかしたら行かないほうが良い?でもせっかく伊勢海老食べれるのに。僕は葛藤しました。何回測っても37.0~37.3℃。悩みに悩んだ末、これでもしインフルでお店に行き、皆が帰省する前に流行ってしまったらマズイと思い、おとなしく家に帰りました。泣きながら。なんでなんだと思いながら。

 

 その後家に帰って熱を測りました。36.7℃。え。もう一回測りました。36.5℃。えっ。なんと全く熱がありませんでした。僕はどうしたら良いのか分からず、部屋の中を30分ぐらいウロウロし続けました。流れてくるおいしそうな料理の写真を見て僕は悲しくなりました。らきから連絡が来ました。「伊勢海老ってザリガニと味が近いらしいよ」と。違う。僕は忘年会のあの雰囲気で伊勢海老を食べたいんだと。でもそんなことはこのメンバーで一生叶うことはありません。一体どうしたら良いのでしょうか。別にお金もそこまでないです。

 

 ここで、なんでこれほど伊勢海老に対して執念がわいたのか思い出してみました。あの時の彼です。彼が元凶でこの悲劇を招いてしまったのです。というかそういうことにして忘れたいのですが、まだ伊勢海老のことを忘れられません。いつか食べたいです。

 

 

 ちなみに今年の前半は凶。しばらくあまり良くないこと続くのかな

 

3回生漕手大平