村の田んぼに水が入り
カエルが一斉に鳴きだした
ゲコゲコなんてものでなく
わんわん反響して大合唱
田んぼには赤い旗
ここの田んぼまで
水入れいいよ、マーク
田んぼの水は地域ごとに
上から順番に入れてゆきます
水は大切な共有の財産
農業用水路も水の開け閉めも
ルールを守って
みんなできっちり管理
区には
堰(せぎ)委員という
役職もあるくらい
堰=農業用水路は
人々の手でつくった灌漑用水
八ヶ岳から
東西に流れる川を利用して
水のない地域へ送る
時には川と立体交差して
水に恵まれなかった原村で
稲作ができるのは
この壮大な装置のおかげ
水路が機能しているか
水質や量にかかわる問題はないか
朝な夕な、使わなくなる冬だって
365日見回って
つまっていれば掻きだし
凍っていれば砕き
懸命な手入れは続く
区長、副区長の一番の仕事
250年近くものあいだ
守リ続けている水路
個々の稲作の前に
みんなの作業があって
お米はつくられている
カエルの大合唱が、
堰を工事した人々や
維持管理する人たちの
みんなの声に聞こえてきた
原村に、
湖のような大きな田んぼが
次々と出現する季節