次は千歌ちゃんが飛ばす番だよーー


……
皆さんこんにちは、ノットです。随分久しぶりにブログを書いている気がします。

今回はタイトルで銘打った通り、1月4日に公開された映画『ラブライブ !サンシャイン‼︎ The School Idol Movie Over The Rainbow』のエンディングについて僕が思ったこと、考えたことを述べさせて頂きたいと思います。


※酒井和男監督(以下かずお監督)はじめ、作り手の皆様の意図を尊重しつつも、あくまでそれを観た僕が何を思ったかをメインに話しますので、飛躍した発想や都合の良い解釈が出るかもしれません。予めご了承ください。あと、当然っちゃ当然かもしれませんが、ネタバレにはご注意下さい。


はじめに

今回は最初にいくつか小さな問いを立て、それらの答えを繋げることで本題を考える手がかりにしようと思います。

これは、そうした方が理論整然としてて頭良さそうでしょ…っていう、僕の見栄です。いっそ清々しいくらいアホな発想ですね、テヘペロっ!

Q.1 オープニングを観てなにを思ったか
Q.2 Next SPARKLING!!の2番はどうして9人で歌われたのか
Q.3 紙飛行機が意味するものはなにか


……

ということで、3つの問いを提示させて頂きました。早速ひとつ目の話をしていきましょう!


A.1

まずはコチラをご覧ください!




これは公式がアップしてくれている映画の冒頭映像、OPです!

僕がまず取り上げたいのは、冒頭映像の中でもまた冒頭。幼き日の千歌・曜・梨子と紙飛行機をめぐるやり取りです。

結論から言ってしまうと、砂浜に落ちた紙飛行機を見た梨子が千歌に

「もっと遠くまで飛ばせる?」

と話しかけるこのシーンは、ラブライブ!サンシャイン‼︎という物語の出発点を我々に再認識させているのではないでしょうか。

……
μ'sや梨子と出会った千歌が、スクールアイドルとして輝きを求める所からラブライブ !サンシャイン‼︎は始まるわけですが、冒頭映像で千歌が投げた飛行機は

輝きたい!

という千歌の夢を象徴しているという考えです。

紙飛行機は、鳥と違って自分で投げなくては飛ばないし、それもすぐに落ちてきてしまいます。ただ…地面に落ちた紙飛行機は、自らの手でもう一度飛ばすことが出来る。

これって、何度壁にぶち当たっても足掻き続けた千歌たちの夢に通ずるものがあると思うんですよね。

そして、3人が幼い姿で描かれているのは、夢がこの時生まれたてであることの表現であると言える気がします。


……
続くライブシーン『僕らの走ってきた道は…』では、作品の聖地である沼津で踊るメンバーの姿が映し出されています。実写と見紛うほど精密に描かれた背景には、息をのむばかりですね!


ところで、今作は沼津のメモリアルムービー的な側面も持っていて、例えば上に載せた『あわしまマリンパーク』の桟橋(さんばし)は、2年前に台風によって壊滅的な被害を受けたことがありました。

橋の図面が現存しなかったために復旧工事は難航したそうなんですが、この時に資料として活用されたのがTVアニメ『ラブライブ!サンシャイン‼︎』の映像でした。

つまり今ある桟橋は、ある意味アニメに出てきた橋そのもの…と捉えることもでき、こうした次元を超えた繋がりを感じるのもまたOPの楽しみ方の1つでしょう!

※桟橋の復旧工事について詳しく知りたい方は、昨年12月に発売された「電撃G'sマガジン号外 ラブライブ!サンシャイン‼︎ Aqours Winter Special 2018」を読んでみてください(ダイマ)


A.2

新しいAqoursの始まりの曲として披露された、今作のエンディングテーマ『Next SPARKLING!!』について。



新しいAqoursとは、3年生を見送った6人のAqoursと劇中では表現されていましたが、曲の2番は卒業したはずの3年生のソロパートから始まります。これには一体どんな意味があるんでしょうか?

真っ先に挙げられるのは以下の考えです。

千歌たちの心に3年生の気持ちが残っていることの表現であるーーというもの。

作中で果南が千歌に

「私や鞠莉やダイヤの気持ちは、千歌達たちの心にずっと残っている」

と語りかけるシーンがあったり、同様のやりとりがSaint Snowでも行われていたりしているので、この考えは90…いや、100%正しいと言っていいと思います。半分の…半分ってこと!?

ただ、それだけなのかな?

…という疑問も湧いたので、いくつかの根拠と一緒に、僕の思う“別の意味”についてこれからお話しさせて頂きます。

根拠① 衣装の変化


上の画像を見て頂ければ分かるように、ライブ開始時点で千歌たちの衣装には卒業した3年生を含めたメンバーカラーの花模様があしらわれています。

一方3年組、ダイかなまりの衣装を思い出して頂きたいんですが、彼女達の衣装にはそれがなかった。真っ白でしたよね。

このことから、

1・2年生の衣装にあしらわれた花=メンバー9人の、それぞれの気持ちや想い

と考える事が出来ると思います。すなわち、ダイかなまりから千歌たちに気持ち(花)が受け渡されたから、3年生の衣装には模様が無いということです。

……

ただ…僕の見間違いじゃなければなんですが、3人に合流した千歌たちの衣装もまた純白だったんですよね、これが。


根拠② かずお監督のインタビュー

映画のパンフレットにはかずお監督のインタビューが掲載されてるんですが、その中から一部を引用させて頂きます。

“残った6人も、3年生がいない6人で再スタートを切ると同時に、スクールアイドルのタスキを次につないでいく役割を背負っています”

ここで重要なのは後半の、タスキをつなぐという部分です…ここでちょっと、物語前半の聖良さんの台詞を思い出してみましょう。

“松浦果南のリズム感とダンス
小原鞠莉の歌唱力
黒澤ダイヤの華やかさと存在感

これらはAqoursの持つ明るさや元気さ、そのものでした”

3人で始めたAqoursが9人体制になっても、元々の本質や魅力は変わらなかったことが分かる、個人的に大好きな台詞です。

これは言葉を変えると、千歌たちはμ'sだけでなく旧Aqoursの3人からもタスキを受け取っていたということです。そして…彼女たちもまた、受け取ったタスキを次代へ繋がなくてはならないんですね。

……
話題は更に脇道にそれるんですが、
「Aqoursに人数の決まりはない」と劇中で明言されながら、新しいAqoursは6人と度々言われていたのはどうしてなんだろう?

という疑問を僕は抱いてたんですが、これまでの話を元に考えると、

6人のAqours=タスキを渡す役割
春から加わるメンバー=受け取る役割

という風に、同じAqoursメンバー間でも、果たす役割がそれぞれ一線を画しているからなのかもしれません。

……

そして、上の2つの根拠を元に導き出されることが以下の通りです。

エンディングの時点で、千歌たちの気持ちもまた、既に誰かに受け渡されていたのではないか

最初に挙げた考えだと

千歌たちは見送る側/果南たちは見送られる側

という構図のもと6人のライブに3年生が加わっているという解釈になるんですが、実際はむしろ逆なのではないか。

見送られる側に千歌たちが加わった。

…という意味が、あのライブシーンには込められていたのではないでしょうか?

※こんな歌詞の曲がとっくの昔に発表されてたんだよな…サクラバイバイっていうんだけど


A.3

じゃあ、今タスキをかけているのは誰か?

本題に入る前に、映画のエンディングを軽くおさらいしておきましょう。

① 春から高校に通う2人組の女の子が砂浜で会話をしている

② 1人は先日のAqoursのライブを鑑賞していて、春から自分もスクールアイドルになりたいと思っている

③「グループの名前は決まっている」と言って、彼女が砂浜に文字をかく

④ Aqoursの文字が映し出される

⑤いつか千歌が投げた紙飛行機が砂浜に落ちてくる


ここで重要なのは、オープニングでは無地だった紙飛行機が、今回は東京のイベントの結果用紙で折られていたということです。



紙飛行機は夢の象徴だという話を最初にしましたが…少なくともエンディングの彼女たちは、千歌達が夢を追いかける姿を観て自分も輝きたいと思ったんですよね。

μ'sにーー“普通の女の子たちがキラキラ輝いている姿に憧れた“普通怪獣ちかちー”が彼女たちに新たな夢をもたらした。

作中で登場する羽が“気づき”の象徴であるなら、紙飛行機は“新たなる夢の始まり”の象徴と捉えられ、最後に落ちてくる紙飛行機は


次はあなたが飛ばす番だよーー


という、千歌たちからのメッセージなのではないでしょうか。僕は、紙飛行機には、彼女たちにタスキは繋がれたという意味が込められていたのだと思います。


エンディングのはなし

上の話と被る部分もあるんですが…ぼくは今作のエンディングには、もうひとつ重要な意味があると思っています。

試写会に監督が登壇した際に質問の受け答えがあったそうなんですが、

砂浜で会話をしているのはどうして2人なのか、という質問に対してのかずお監督の答えは、

「浦女の入学希望者が98人だったから」
というモノだったそうです。

この、2人がもう少し早くAqoursを知っていれば廃校は免れた…という意味に捉えられる回答は、見方を変えると彼女たちは浦女の廃校が決定してからAqoursに惹かれたのだと解釈することができて、

廃校が決まってからのAqoursの活動は無駄じゃなかったと言うことにもなるんですよね。

学校の名前をラブライブの歴史に刻んだ彼女たちの存在は、同時に皆の心の中にも刻まれていた。

何ひとつ、無くなることなんてないという彼女たちの出した答えを、最後にまるっと肯定してあげるエンディングが、僕は本当に大好きです。


そしてーー


この映画は未来へはばたく全ての人に贈る作品です。劇場で紙飛行機を見た僕にも、Aqoursのタスキは託された

次は僕のはばたきのときだと思うノットなのです。







……
映画の話は、もしかしたら次回以降続くかもです。