母(78歳)入院後、父(81歳)が脳神経外科で初診でアルツハイマー型認知症と診断された中で、人生初の一人暮らしの生活が始まった。



母が入院してからは 毎日私が朝6:00〜6:59  夜8:00〜8:59(夜は不規則だけど)の訪問で 食事(調理して一緒に食べる) 服薬確認 風呂場の換気 ゴミ出しの準備 メダカの世話 日常生活の補助 などしている。

訪問在宅の介護ヘルパーをしているのでその辺は仕事としてダラダラとはやらず59分でキッチリ帰ることを決めている。


今まで薬がわからなくなり薬の山に埋もれていた父だったが 薬カレンダーのおかげで今まで一度も薬を忘れたことはなくキッチリ飲めている。(ヨシヨシ)


飲んだ薬の袋は1番右に入れると決めてるらしい。


父は昔から掃除好きなので 朝6:00に訪問すると 既に掃除機をかけモップであちこちスイスイしてることが多い。

そして、調理や食事をした後の食器類を洗うのも父は率先してやるので私は手伝わない。

ただその時どうしても三角コーナーに穴の空いてないビニールをセットしてしまうので 三角コーナー用のネットを付けるコトを覚えてもらう為に 毎日同じことを繰り返し伝え やっと習慣付いた頃 朝行くと父がモップ掛けをしながら悩んでいた。

父『なぁ、コレ 全然ゴミ取れなくなってよぉ』



三角コーナーのネットが掛かっていた(惜しい、笑)


そんな楽しい日々で内服の治療開始から2週間後 再診があった。


前回 認知症のテストやらMRIの結果やら なかなかの打ちのめされ方をしていた父は 今回は張り切っていた。(悔しいことはよく覚えている)

『今日の日にちは6/15』

『ココまでは車できた』

『オレは81歳!』

などなど、診察前に何度も復唱していた。

そして名前を呼ばれ診察室に入り先生の前に座った 

先生『〇〇さんおはようございます。』

父『おはようございます』

先生『今日はここにどなたと来ましたか?』(お!始まった!)

父『姉です』(あちゃーーーーー)

先生『随分お若いお姉様ですね』

父『あ、妹でした』(あちゃーーーー)


先生が私の方を見て『正解は?』

私『ムフフ、娘です』

先生『では気を取り直して、娘さんのお名前は?』

父『〇〇〇〇です』(←母の名前)

先生『正解は?』(私の方を見て)

私『○子です』

と、出だしでズッコケてしまった父に

先生『まぁ、名前なんて意味の無い物なのでね、緊張すると混乱するんで大丈夫ですよ』

と、優しく言ってくれて普段の様子を聞かれたので

『母が入院して一人暮らしになったけど、薬もキッチリ飲み規則正しい生活をしてます』とベタ褒めをしてあげた。

診察室を出ると父が『またやっちまったーー』と笑ってくれたので安心した。


帰りはちょっとお高いお魚屋さんに寄った。

漁師の父は魚の値段を見るのが好きで、過去に自分が釣った魚が高値で売ってると喜ぶ。そこで切り身と干物とお寿司を買い ゴキゲンで帰宅した。

家に戻り、アレクサの中の母と話しながら買ってきたお寿司を食べて、次は母の病院へお見舞いへ。

車の中で父が『あれ?ばあさんは病院にもう着いてるのか?電車で行ったのか?』と真顔で聞いてきた(笑)

『もう着いてるみたいよ』ってサラッと流しておいた。


そしてさっき、父のところに行ったら『オレの脳みそアルツハイマーで半分腐ってるのかな?』って言ってた。


いや、アルツハイマーって単語 ちゃんと覚えて理解してるじゃん!!


で何で私(娘)の名前 出ない?!


アルツハイマー 深いなぁーー。


今日も父はいっぱい笑った。