民営化の滑り出し~Vol.2 | 大阪メトロの経営をきちんと考える

大阪メトロの経営をきちんと考える

大阪市の交通、その中でも民営化された大阪メトロについて考えていきます

初代のOsaka Metroの社長には、関西の某大手電機メーカー出身の人が就任しました。当時の吉村大阪市長が、関西の企業の出身者から選ぶ、ということと、鉄道関係者は選ばない、という条件で探したという風に聞いています。その他の経営陣には、大阪市交通局出身の幹部が登用されました。監査役には、従前から民営化の準備をしていた頃から内部統制委員会で監査役のようなポジションを依頼していた弁護士、公認会計士をそのまま登用し、常勤監査役には大阪市のOBが就任しました。

 

社長就任時の挨拶で新社長は、「第二の創業」、という表現をされていました。その言葉には、古い体質を捨てて新しい門出を祝う気持ちが込められていたと考えられます。民間の効率的で合理的なところと、公的機関が培ってきた高い安全意識や信頼性、公共性を維持したままで、お客さまへのサービスが飛躍的に向上し、社員の満足度が上がる会社になることが期待されていたと思います。

 

そのような中で、鉄道を知らない社長も経営を知らない元公務員も手探り状態の中で、民間になったからこそできることを模索しながら力を合わせ、中期経営計画が策定されました。2018年7月に出された初めての中期経営計画には新たなアイデアが数多く盛り込まれ、交通局時代から続いていた黒字基調の経営を引き継いで順調な滑り出しを図り、2018年度には約340億円の最高益により、明るい未来への期待から700億円の営業利益を目指す計画を立てていました。

 

民営化の真骨頂を見せることができるか、という期待に満ちた時期でありました。