キネマ旬報社刊「俳優 原田芳雄」で興味深かったのが、原田章代さん（原田芳雄夫人）の映画「祭りの準備」のエピソード。
この映画で原田芳雄さんは、キネ旬の助演男優賞をとる。
原田章代さんの証言
「祭りの準備」では、最初、黒木監督が言ってきたのは、お巡りさんか何か、ちょっとした別の役だったんです。ホンを読んで「それはやらない。この役ならやる。」と言って、あの役が膨らんじゃった。だから、監督によっては、原田芳雄とやるとホンが変えられてしまうといやがる人もいたと思いますよ。ホンが違う方向に行っちゃう。「祭りの準備」がそうですから。
キャメラマンの鈴木達夫氏の証言
あの芳雄さんがいないと「祭りの準備」は成功しなかったんじゃないですか。
主役を横取りしようとは思っていないでしょうけど、どんどん深みに入っている。帰って来た妹を裸にして、身体を洗ってやるカットなど、芳雄さんのアイデアですからね。
この映画、ラスト駅のシーンが印象的で、土佐の中村や四万十川の下流あたりを訪ねたことがあって、そのときのエピソードを書いたところ、朝日新聞に掲載されたのですが、原田芳雄兄貴のおかげかも