正月LIVE2020「名福東阪阪東・寡黙なROCKER」の大阪フェスティバル公演直前、1月13日に、名曲「勝手にしやがれ」の岩波らしからぬ失態とジュリー論に驚愕!、14日に、芥川賞作家が選んだジュリー3曲の沢田研二論!、を書きましたが、この2冊にはザ・タイガースの分析もあったので紹介します。
まず、昨日の2011年12月三田誠弘著「男が泣ける昭和の歌とメロディー 」の第6章:はかなく淡い純愛の歌の10曲中の~いくつになっても純愛の歌を歌おう~で「LOVE(抱きしめたい)」が取り上げられてましたが、、、
それ以外にも、ザ・タイガースの「僕のマリー」~あの岸部一徳もいたタイガースはすごいバンドだった~以下、同書からの抜粋です。
和声ポップスは、タイガースから始まったといっていいだろう。歌そのものはシンプルなものだったが、メンバーのそれぞれに個性があった。(僕のマリーは)マリーちゃんに遠くからあこがれている。それだけの歌。これを美男子の沢田研二が歌ったものだから、人気が爆発した。
一方、岩波新書から2011年に出版された高護著「歌謡曲―時代を彩った歌たち」で第1章「和製ポップスへの道―1960年代」の4「ビート革命とアレンジ革命」でとりあげられていたのが「君だけに愛を」以下、同書からの抜粋です。
「僕のマリー」は作詞・橋本淳/作曲・すぎやまこういちで、以降ザ・タイガースの大半のヒット曲がこのコンビによって創出されていくことになる。初期の橋本淳には散文詩が多くみられ、♪ぼくがマリーと逢ったのはさみしい雨の朝、に顕著である。「君だけに愛を」はザ・タイガースの最大のヒット曲である。
(注)これも高護氏、岩波書店らしからぬ間違いで、花の首飾りがザ・タイガースの最大のヒット曲
「君だけに愛を」はそれ以前の歌い手と聴き手の1対多の関係を、語りかけによって一対一に再構築して歌詞の対象を絞り込んだ点でも異色である。音楽的にはかなり凝った作りで画期的な手法が導入されている。ギターのチョーキングに続いてドラマチックな♪オー!プリーズのバースで静かに曲が始まる。♪君だけに~ではフーガを導入。コール&レスポンスで盛り上がりを演出している。間奏のギターソロはジャズにおけるアドリブと同じ手法である。ロックの分野でのギターソロは70年代以降のことである。
♪キッスしたい~の、いの部分はジュリーがハモでトッポが主旋律を受け持つという形式で、ジュリーがラでサリーが下のレ、タローは上のドでトッポはさらに上のファなどといった詳細な分析があるので、詳しくは同書で、、、、
いやぁ、まいったなぁ、、、
ひょっとすれば、オリコンのデータを無視して、君だけに愛を、ザ・タイガースの最大のヒット曲って、書いたのかも、、、、