バーナード・ローズ監督作品。けして作家的映画ではない。ただただ、主演、音楽、製作総指揮のデヴィッド・ギャレットの劇中の演奏がすごい。パガニーニの楽曲は、演奏が難しく、悪魔のテクニシャンでないと演奏することができないとされてきたが、まさに、そんなパガニーニを13歳で演奏し、CDまで録音したという天才がデビット・ギャレットその人である。ホールでの演奏もすごいが、退廃的な酒場での即興演奏の場面など、音楽に酔うことのできる作品である。

 音楽興行師の娘、ピュアなシャーロットの歌唱を、ヴァイオリンを爪弾きながら聞くパガニーニのシーンは、私のようなおっさんでもうっとりと見てしまう。2013年製作。