▲近頃とんと見かけなくなった「運命」という表題がなつかしい(^^ゞ
■ベートーヴェン : 交響曲第5番 C-moll Op.67「運命」
■リスト : ハンガリー狂詩曲第1番 F-moll
■ベルリオーズ : 序曲「ローマの謝肉祭」 Op.9
ニキシュ・アルトゥール/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
Recorded on 1913(Beethoven)、1920(Liszt & Berlioz)
これまたむか~しLPで購入したもののCD再購入になる。
ニキシュ・アルトゥール(ハンガリー人なので苗字が前)というのはベルリン・フィルの2代目常任指揮者で、先代はハンス・フォン・ビューロー、3代目はフルトヴェングラーである。
ちなみにそのLPを買ったのは大学の時だった。アパートにはステレオがなかったので、オケの部室に置いていてたまに部室のプレーヤーで聴いていたのだが、いつの間にか失くなってしもた。
ま、録音状態からしても何度も聴きたくなるものでもなく、だれか持って帰ったんやろなあという感じで、とくに惜しいとも思わなかった。
その部室でベト5をいっしょに聴いていた先輩が(その先輩もニキシュ盤は初聴きだったらしい)、「まさにレコード(記録)だよなあ」と言ったのをよく覚えている。
演奏どうこう以前にベルリン・フィルの初録音であり、たしかに「最古の記録」なのだ。
ラッパ吹き込みで、オケは小さめの編成。ラッパ吹き込みの性能の限界のせいだと思うが、金管は後ろを向き、鏡に映るニキシュの指揮を見て演奏した、らしい。
しかしこのCDはおそらく最新技術でリマスターされているようで、パチパチ・ザワザワなノイズは残しているが、昔のLPよりもはるかに聴きやすくなっている。記憶では弦も薄っぺらかったのが、けっこう重くなっている。
ベト5におけるニキシュは、とくに大時代がかった演奏でもなく意外と現代風。ルバートかけたり、フェルマータで長めにのばしたりしている箇所があるものの、基本イン・テンポである。
ただ、昔から各方面の解説でも言われているように、ライブではないし、当時の技術的制限がある状況下での録音なので、これがニキシュの音楽・解釈かといえばなんともいえないところ。
ハンガリー狂詩曲第1番は原曲(ピアノ曲)の14番をオケ用に編曲したものである。ヨウツベにドラティ/ロンドン響の録音が落っこちていたが、それと比べるとニキシュのゴツゴツ・ゴワゴワ感はすごい。ベト5よりもこっちが本当のニキシュでは?と思ったりする。
「ロマ謝」はうちの大学のオケでも演った曲(私めは降り番ですた)だが、速い速い(^^;)
なんだか3曲とも「映像の世紀」ならぬ「音声の世紀」みたいな音楽を聴くのであった(爆)