『さらば、わが愛/覇王別姫 4K』、観てきた。 | 気が向いたときだけの大阪日記

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タイトルのまんま、気が向いたときだけの不定期大阪日記です(笑)

 

 

さらば、わが愛/覇王別姫 4K

https://cinemakadokawa.jp/hbk4k/

 

 

陳凱歌(チェン・カイコー)監督の名作「覇王別姫」(1993年制作)の4Kバージョン観てきた。

 

噂にたがわぬ名作だった。

 

ロードショウ作品でもなくネタバレもクソモないので、ストーリーはWikipedia「覇王別姫・あらすじ」をご覧くださいませ。ただ、観ていない人にははっきり言ってめちゃ分かりにくい(笑) が、観た後に読むとすっげーよくわかる、って意味ないか(^^ゞ

 

1920年代の中華民国初期の中国から、文化大革命が終わる70年代後半までの時代の変遷が、京劇の世界を通して描かれている。もともと「覇王別姫」というのは、項羽(覇王)と虞姫(いわゆる虞美人)の最後の別れを描いた京劇の演目で、この映画はその京劇「覇王別姫」で項羽と虞姫を演じる二人の役者の話である。

 

主要キャストは京劇役者の小豆子(役者名・程蝶衣)が張國榮(レスリー・チャン))と石頭(役者名・段小楼)が張豊毅(チャン・フォンイー)、そして元高級娼婦で石頭の奥さん・菊仙が鞏俐(コン・リー)となっている。それにしても鞏俐、めちゃきれい~ラブラブ

 

あと、冒頭シーンにしか登場しないが小豆子のお母さん役が、なんと「大地の子」で上川隆也の奥さん・江月梅を演じていた蒋雯麗(ジャン・ウェンリー)だったのにはびっくったびっくり

 

映像の雰囲気は、中華民国→抗日戦争→共産党時代→文化大革命という時代の移り変わりを見事に表現している。とくに最初のほう、少年時代の小豆子と石頭のシーンは清朝時代の妖しい雰囲気が残る映像で、さすがは陳凱歌と思わせる作りになっている。

 

そんな映像に、中国の伝統芸能である京劇が激動の歴史をどう生き抜いてきたか、そして二人の役者の同性愛的関係(ま、程蝶衣(張國榮)の一方的な恋愛感情だが)に菊仙との三角関係、時代の流れに翻弄される姿など、本来ならぐちゃぐちゃになりそうな歴史・芸術・愛憎劇を見事に見せ切っている。

 

3時間近い大作だが気絶することもなく、時間を感じさせることもないくらい中身が濃い。さらに中国好きとしては中国語セリフ(字幕はご存じ戸田奈津子先生)にも聞き耳たてて、どっぷり入り込んでしもた(^^ゞ

 

ちなみに京劇は一度だけ観たことがある。演目は「孫悟空」その他。孫悟空は日本人にはよく知られている題材で動きも多いので、日本での公演には向いているとのことだった。