このたび、私が執筆した面会交流に関する書籍「弁護士・臨床心理士の両視点にみる 面会交流-当事者心理と実務のポイント-」が、新日本法規出版より出版される運びとなりました。

 

 

 

私の持っている知識・経験を全て注ぎ込んで書いた本なので、ぜひ多くの方の手に取っていただけますと幸いです。

 

 

以下では、本書のおすすめポイントをいくつか紹介させていただきます。

 

 

① 心理学的な視点を踏まえた記述を随所に盛り込んでいること

本書の最大のコンセプトは「法律実務と心理学の融合」という点にあり、随所に心理学的な視点を意識した記載を盛り込んでいます。

 

面会交流の問題を解決するにあたっては、単に法律論を振りかざすだけではダメで、当事者や子どもの心情や意向を抜きにしては解決することができません。

 

そこで、本書では当事者や子ども、さらには弁護士の心理や悩みにも目を向けて、様々な情報や解決策を提供しています。

 

 

② 面会交流の方法論を多数紹介していること

面会交流の取り決め方は、10組の夫婦・親子がいれば10通りの方法があると言っても過言ではないほど、いろいろな方法があります。

 

しかし、いろいろな取り決め方があるということがあまり知られていないのか、特段の検討なく、「面会交流の日時、場所、方法等は当事者間で別途協議」というような取り決めをして、後でトラブルになっている例が散見されます。

 

本書では、当事者の意向や状況を踏まえて、たくさんの面会交流の方法論を紹介していますので、ぜひ本書を通じて、自分たちに合った面会交流の方法を見つけていただければと思います。

 

 

③ 全133例の条項例をしていること

上記のとおり、面会交流の取り決め方には多数の方法があります。

 

これを条項の形にするとしたら、どのような内容になるのかということを示すために、全133例の条項例を収録しました。

 

面会交流の条項例を紹介する本としては、おそらく市販されている本の中で最大の条項例数だと思います。

 

本書で紹介する条項例をそのまま使用していただいても構いませんし、オリジナルの条項例を作成する際の参考にしていただいてもよいと思います。

 

 

④ 全32件の新しい裁判例を紹介していること

そもそも、面会交流の裁判例は公開されているものが少なく、特に最近の裁判例をまとめた書籍はあまり多くありません。

 

月2回の面会交流が認められたのはどのようなケースか、宿泊付きの面会交流が認められたのはどのようなケースか、あるいは面会交流が禁止されたのはどのようなケースかなどについて、巻末の裁判例集で紹介する32件の近時の裁判例を通じて概観していただければと思います。

 

本書では、紹介する裁判例に偏りがないように、面会交流が禁止・制限された裁判例ばかりを集めたり、反対に多数回の面会交流が認められた裁判例ばかりを集めたりするようなことはしていません。

 

また、現在の実務の傾向を把握するという目的で裁判例を紹介しているため、昭和や平成初期の頃などの古い裁判例ではなく、新しい裁判例をピックアップして巻末に掲載しています(執筆時点で公表されている最新の裁判例も網羅しています)。

 

なお、巻末の裁判例集に掲載した裁判例以外にも随所に裁判例の重要箇所を紹介しており、それも含めると本書で取り上げる裁判例の数は約100件に上っています。

 

 

⑤ 徹底した実務主義

面会交流に関する本はいろいろありますが、特定の主義主張が背景にあるものもあるようです。

 

その点、本書は、特定の主義主張を普及することを目的とした本でも、現行の司法制度を批判するための本でもなく、可能な限り、実務に即した内容となるよう心がけて執筆をしてきました。

 

とはいえ、見る人によっては、ある記載箇所については別居親寄りの記載と思われるかもしれませんし、反対に同居親寄りの記載だと感じる記載もあるかもしれません。

 

しかし、私の意図としては、別居親寄りの本にするつもりも、同居親寄りの本にするつもりもなく、あくまで現行の司法制度における調停実務や審判実務を知っていただいた上で、現在の実務の中で、最良の面会交流を実現するためにはどのようにすればいいのかということを考えるきっかけを本書でご提供できればと考えています。

 

「面会交流のことは、この本にすべて載っている」

 

「面会交流に関しては、まずはこの本を見ればオッケー」

 

そんな本を目指して、本書を書きました。

 

対象とする読者層は、弁護士、面会交流に悩む当事者の方、調停委員その他面会交流に関わるすべての方を想定しています。

 

ぜひ、多くの方に本書を手に取っていただき、本書がより良い面会交流実現の一助となりましたら幸いです。

 

 

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