前回は大学院入試について書きましたが、晴れて大学院入試を突破できたとしても、仕事をしながら大学院の授業をきちんと履修できるのかということを心配されている方は多いと思います。



私自身、弁護士の仕事が結構忙しかったので、入学するまではかなり不安でした。



ということで、今回は、仕事をしながら大学院進学を考えておられる方の参考になればと思い、大学院生活に関することを少しご紹介してみたいと思います。



あくまで私が通っていた佛教大学の当時のカリキュラム等を前提にした説明になるので、その点はご容赦ください。




①仕事を休まなくて大丈夫?

まず、どのくらい仕事を休まないといけないのかという問題ですが、通信課程とはいえスクーリングといって大学院に行って授業を受ける必要があります。



佛教大学の場合、土日の授業が中心でしたので仕事を休まないといけないということはそれほどありませんでした。



ただ、夏期集中講義なんかは5日間連続で授業があるので、当然仕事をまとめて休まないといけません。



また、3年次には病院や教育機関での週1回の実習が始まりますが、これが合計30週あります。



私の場合、病院は幸い土曜日に実習を受け入れてもらうことができましたが、教育機関は平日しかやっていなかったので、15週にわたって特定の曜日は日中休まざるを得ませんでした。



もし病院の方も土曜日の受け入れが無理であれば半年近く週1回仕事を休むことになりますので、現実的にこういうことができるのかはあらかじめ考えておく必要があります。



私のように自営業の人は、休日や深夜まで仕事をするなどして自分で仕事を調整すれば何とでもなりますが、会社員の方だと会社との調整も必要になると思います。



なので、あらかじめ平日に仕事を休めるのかは確認しておいた方が無難でしょう。



ということで、1年目〜2年目は年に10日くらい(うまく履修すれば5日くらい?)仕事を休めば大丈夫だと思いますが、3年目は15日以上休む可能性があると心得ておくといいと思います。



②プライベートに与える影響は?

仕事は何とか調整がつけられたとして、プライベートに与える影響はどうかというと、これは相当影響があるということを覚悟しておいた方がいいと思います。



まず土日は一定の頻度で朝から夕方まで(通常は9時から18時まで)授業が入りますので、週末がまるまる潰れるなんてことはザラです。



また、レポートを出さないと単位がもらえないので、授業のない週末はレポートの作成に時間をとられることになります。



私は仕事で大量の文章を書くことが頻繁にあるので、書面作成は比較的得意な部類だと認識していますが、それでも畑違いの心理学のレポートを作るのには最初は苦戦しました。



また2年次の最後の方からは修士論文の執筆が始まりますが、これには調査やデータ収集などの時間も含めて相当時間をとられます。



なので、休日は授業かレポートや修論の執筆という形で、プライベートの時間はかなり削られるということは覚悟しておいた方がいいと思います。



ちなみに、大学院を3月に修了したあとも臨床心理士試験のための勉強が待っていますから休日は勉強のために時間を割くことになります。



なので、3年制の大学院に通うことを前提にしても4年近くはプライベートが一定程度制約されると考えておいた方がいいですね。



③お金は大丈夫?

コストの面も意識しておきたいところです。



大学院を修了して臨床心理士資格を取得するまでに結構なお金がかかります。



佛教大学の場合、3年間で確か200万円くらいの学費がかかったはずです。



それとは別に遠方からスクーリングに通う方は交通費や宿泊費も馬鹿にならないと思います。



実際、新幹線で通学されている方もおられますので。



私の場合は、自宅から学校までが微妙に遠かったこともあり、連日の授業があるような場合は毎回ではありませんが、京都市内のホテルに泊まることがありました。



こうすることで、授業が終わった後にすぐにホテルで仕事をしたり翌日の授業の課題にとりかかれますし、何より授業でヘトヘトになったときでもすぐに休めるというのもホテルに泊まる大きな目的でした。



こんな感じでホテル代や交通費だけでもトータルで数万円〜数十万円飛んでいく可能性があることも念頭に置いておきましょう。



それと私の場合は修士論文の執筆にあたってネットリサーチ業者を利用して大規模な調査を行ったので、これにも結構なお金(金額は忘れましたが確か30万〜40万くらい?)がかかりましたが、これはお金をかけないような形で修士論文のテーマを決めればなんとかなると思います。



あと、大学院在学中に限らずに資格取得までにかかる費用という形で広く考えると、大学院入試や臨床心理士試験のための予備校の講座をとればこれまた数十万円単位でお金がかかりますね。。



まぁなんやかんやで、大学院入学から臨床心理士資格をとるまでに300万円近いお金はかかると思っておいていいんじゃないでしょうか(かなり適当な試算ですが。。)




④まとめ

以上を踏まえると、いろいろと仕事の調整をして、プライベートを相当犠牲にして、さらに300万円近いお金をかけてでも心理の専門的な資格を取りたいと思えるのであれば、大学院を目指されると良いと思います。



反対に、そこまではできないかなーと迷うくらいなら無理してまで大学院進学は考えないほうがよいでしょう。



時間的にも経済的にもかなりの代償を払って、最後の最後で試験に受からなければ、「資格のないただの人」になるリスクもあるわけですから、よくよく考えて覚悟を決めて大学院に入学された方が良いと思います。



社会人の時間やお金のの使い方はとても重要ですから無駄にならないようにしたいところです。



ちなみに私自身は、かなり大変ではありましたが大学院に行って本当に良かったと思っています



今回の記事が大学院進学を考えておられる方の少しでもお役に立てばと思い、あえてお金の話など少々生々しいことも書いたつもりです。



意外とこういう情報ってないので、当時の私が知りたかっただろうなと思ったことを書きました。



これまでは大学院に関する話題を中心に書いてきましたが、今後は臨床心理士試験についても触れていければと思いますひらめき電球