臨床心理士になるためには指定大学院を修了しなければならないということを前回の記事で書きました。

 


となると、大前提として大学院入試に合格しないといけません。



しかし、前回も書きましたが大学院入試は結構狭き門で、きちんと対策をしなければ合格は難しい試験です。



そこで、今回は私がどのような方法で大学院入試を乗り切ったのかということを書きたいと思います。



一応、テーマには「社会人」と銘打ちましたが、大学からストレートに院試に挑戦される通常ルートの方にも参考になるかと思うので、もしよかったら読んでみてください。




私が大学院入試を考えた時点では心理学の知識がほとんどない状態でしたので、大学院入試を受けるにあたっては迷わずに予備校を利用するという選択をしました。

 


というのも、独学で一から心理学の勉強をするのは非常に効率が悪いと考えたからです。

 


予備校はいくつか調べましたが、河合塾KALSに決めました。

 


決め手はオンライン受講ができるということと大手で安心そうという点に尽きます。

 


結果的にはこの選択でよかったと思っています。

 


全部コミコミのパックプランみたいなのを申し込んだと記憶していますが、その中でも「心理学概論」という講義がとても役に立ちました。

 


坂井剛講師がこの授業を担当されていましたが、私のような初学者にもとても分かりやすい授業で、同時に心理学の面白さを教えてくれるような内容でした。

 


講義をダウンロードして移動中とか通勤中とかに23倍速ぐらいで何度も何度も聞いて頭に叩き込みました。

 


ちなみに、大学院入試で得た知識は臨床心理士試験でも必要な知識になりますので、初期の時点で土台を固めるためにも積極的に予備校の講義を利用されるといいと思います。

 


そして講義と並行して、下記の本を使ってインプットを進めました。



公認心理師・臨床心理士大学院対策 鉄則10&キーワード100 心理学編



公認心理師・臨床心理士大学院対策 鉄則10&過去問30 院試実戦編


 

この2冊の本に書かれていることを徹底的に覚えるという作業をしました。



「勉強は暗記じゃなくて理解が重要」みたいな話をよく聞きますが、私はその意見には全面的には賛成できなくて、丸暗記でもなんでも覚えてないと話にならない問題も多々あると思います。

 


たとえば、これは実際に院試で出た問題ですが「アクスラインの8原則について説明せよ」という問題が出たときに、いくら理解していたって、8原則がスラスラ出てきて答案用紙に再現できないと点数にならないわけで、そのためには丸暗記している必要があるわけです。

 


勉強の方法論を語りだすと、とても長くなりそうなのでここでは割愛しますが、心理学系の大学院入試を突破する上では暗記から逃げていては合格はおぼつかないのではないかと思います。

 


他の資格試験と比較するのはあまり適切ではありませんが、司法試験なんかはテキストだけで10冊以上あって問題集も合わせると数十冊にもなりますし、私が受けてきた色々な試験と比べても心理学系の大学院入試や臨床心理士試験は決して覚える量がめちゃくちゃ多い部類の試験ではないと思います。

 


なので、専門家と呼ばれる資格をとる以上、たかだか1冊か2冊程度のしかも薄いテキストに書いてあることぐらいは全部頭に叩き込むくらいの意気込みは必要なんじゃないかなと思います。



具体的には、特定の単語やテーマを見ただけで、直ちに定義・人名・具体例・それに関係するキーワードなどが芋づる式に説明できるようになるまで暗記作業を繰り返すといいと思います。



たとえば、「情動」という単語をみて、情動の定義やジェームズランゲ説、キャノンバード説、情動二要因説あたりのキーワードが出てきて、さらに各説の具体的な説明をすらすら想起できるかというようなことを自分でチェックしていくわけです。



目次に書かれた各テーマを見ながら上記のような想起作業をやっていき、なかなか覚えられないものを絞り込んでいって最終的には本一冊頭に入れるという方法がいいと思います。



こういった地道な暗記の繰り返しがとにかく重要です。




 

あとは、過去問分析ですね。

 


過去問は大学に請求すれば過去何年分かはもらえたはずでのすで、受験が決まったら必ず取り寄せるようにしましょう。

 


そして、出題内容や出題形式などを分析していくことになります。

 


ただ、大学から取り寄せることができるのはせいぜい12年分程度で、分析するには絶対量が少ないと感じました。


 

また、二次試験の面接試験については全く過去問の情報がないという状況で対策の立てようがありませんでした。


 

そこで、ここでも予備校を活用することになりました。


 

河合塾KALSでは受講生は各大学院の過去問をコピーさせてもらえるというサービスがあったので、校舎に出向きコピーをさせてもらいました。

 


これによって、結構な年数の過去問を入手することができ、さらに過去の受験生が受けた二次試験(面接試験)で聞かれた内容が記載された書類もゲットすることができました。


 

ということで、私の場合は予備校を最大限活用して大学院入試を乗り切ったという感じです。


 

社会人から臨床心理士を目指すために大学院入試を考えておられるという方にできるアドバイスとしては、

 

・予備校を積極的に活用すること

 

・丸暗記でもなんでもテキストに書かれていることは徹底的に頭に叩き込むこと

 

ということです。



この記事が少しでもお役に立てば幸いですひらめき電球