法律相談の場面で
・裁判勝てますか?
・慰謝料いくらとれますか?
といった質問を受けることがよくあります。
そんなときに弁護士が
・絶対勝てます!
・慰謝料300万円以上取れます!
などと回答することはまずありません。
というのも、弁護士職務基本規程という弁護士の職務規律の中で、
「弁護士は、事件について、依頼者に有利な結果となることを請け合い、又は保証してはならない。」
と定められているからです。
それと、弁護士であれば、
依頼者から聞いていた話を踏まえて見立てをしていたけど、いざ訴訟が始まると、相手方から思いもよらない証拠が出てきて見立てが変わることがありうる
ということを経験上知っています。
もちろん、相手方の主張や証拠を予測して、訴訟を進めることにはなりますが、それでも「絶対」ということはありません。
なので、弁護士は、軽々しく「絶対」とか「必ず」というような断定的な言葉は使いません。
反対に、
「基本的には〜」「原則として〜」「〜となる可能性が高い(低い)」
というような言葉を使うことが多いように思います。
「絶対」と言いにくいので、必然的にこういった表現になってしまいます(^^;;
日常会話でもついつい使ってしまいがちです。。
とはいえ、何でもかんでも言葉を濁していたのでは、
この弁護士ほんまに大丈夫かいな
と相談に来られた方を不安にしてしまいかねないので、そのあたりのさじ加減は必要だと思います。
法律のプロとして、断言できることは断言するということが必要です。
たとえば、
調停で養育費の取り決めをしたけど、もし養育費の支払いが滞った場合、給料を差し押さえるとしたら、どれだけ差し押さえられますか?
という質問をされたときに
多分、手取りの2分の1は差し押さえられると思います
いや手取りじゃなくて額面だったかな
ん、2分の1じゃなくて4分の1だったかも
なんて回答していたらプロ失格でしょう
こういう場面ではビシッと断言できないといけません。
ちなみに、養育費と慰謝料では差し押さえられる給料の割合が違うんですが、このことはまた別の機会に説明したいと思います。
もし弁護士に法律相談する機会があれば、気になることはガンガン質問して、その弁護士の答え方に注目してみてもよいかもしれませんね。
弁護士は「基本的には」言葉の使い方には慎重ですので
ついでに、答え方でその弁護士の力量も見えるかもしれません(^^;;