某芸能人夫婦の離婚調停が成立したことが大々的に報道されていますね。
ネットニュースなどをちょっと見ただけなので、正確な事実関係はわかりませんが、いくつか思うところがあります。
まず、2回目の調停で離婚が成立したのはかなり早いなあという印象です。
一般の方からすると、2回も調停をすれば十分解決できると思われるかもしれませんが、全然そんなことはありません。
私の経験上、2回で調停成立するというのはかなり珍しいです。
そもそも、あっさり話がまとまる夫婦であれば、調停をすることなく協議離婚ができるはずです。
反対に、調停をしているということは、それなりに揉めているわけで、そうだとすると、解決までに時間がかかるのが通常です。
なので、わずか2回の調停で離婚成立するというのはかなりスピード解決だと思います。
調停の期日間に双方の代理人同士で交渉があったのかもしれません。
これは何も芸能人のケースに限った話ではなく、双方に代理人が付いている場合、調停の場だけでなく、調停の期日と期日の間で、代理人同士で交渉するということはよくあることです。
たとえば、1回目の調停が10月1日にあって、2回目の調停が11月15日だとすると、10月2日~11月14日の間に交渉を進めて、双方が合意できる点を形成していく作業をするというような感じでしょうか。
こうすることで、少しでも早期解決に繋がるわけです。
今回のケースでは、夫側が、「調停で離婚成立するのであれば財産分与を請求しないが、訴訟になれば財産分与を請求する」という主張をしたという報道がされていました。
要するに、
早期解決できるのであれば、譲歩するけど、そうでないならきちんと財産分与してもらうよ
ということですね。
今回のケースでいうと、妻側からすれば、訴訟でドロ沼にならずに、なおかつ、多額の財産分与も支払わなくていいという点でメリットがあったのでしょう。
一方で、夫側も早期解決できるというメリットがあったはずです。
そういう意味で、双方の利害が一致し、解決に繋がったのではないかと思います。
このように、「調停で早期解決できるんなら譲歩するけど、訴訟になったらとことんやるで」というようなやり取りは調停実務の世界では結構ある話です。
ところで、今朝の記者会見で、妻側が勝利宣言をしたようですが、調停はあくまで裁判所を使った話し合いなので、勝った・負けたという考え方はあまり当てはまらないのでは?というのが私の個人的な意見です。。
以前のブログにも書きましたが、そもそも離婚案件の場合、他の案件と比べて、勝ち負けという要素が薄いように思います。
もちろん、適切かつ効果的な主張をしなければ不利な形で終結してしまいますので、争うべきところは徹底的に争う必要があることは言うまでもありませんが。
まあ何にせよ、マスコミ的にはドロドロと争ってもらった方が良かったのかもしれませんが、年内に早期解決できたことは当事者にとっては良かったのではないでしょうか
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