日本行政8月号の処分事例等の公表されたものに入管案件がありました。
曰く本人と面談しなかった。
曰く虚偽の書類を作成して入管に提出した。
廃業勧告と5年間の会員の権利停止処分を受けたそうで。
入管業務はこの手のトラブルと常に隣り合わせです。
入管バブルが始まる前は、怖い業務で有名でした。
今は怖さがあまり言われなくなってきました。
繰り返します。
入管業務はとても怖い業務です。
入管業務で新人時代はブローカーから声が掛かり易いと聞きます。
声を掛けてくるのは、ブローカーだけではありませんよ。
社労士や税理士などの他士業。
他府県や他支部の行政書士もヤバい案件を持ってくることがあります。
入管業務駆け出しのころ…
とある研修で知り合った社労士。
オフィス街に立派な事務所を構えた社労士法人の代表者。
サイトを確認すると、経歴も立派で普通に見るとヤバい案件をする様には見えない感じ。
(グレー案件で有名な入管行政書士もサイト上は品行方正さをアピールしている)
入管バブルの兆候がチラホラと出始めたころ。
社労士や税理士が入管業務に参入が増え始めました。
件の社労士も入管業務に参入を試みていた様で。
ただ自分で行政書士試験に合格できなくて、アルバイトで行政書士を雇用していたと。
件の社労士から業務提携を持ち掛けられたと。
アルバイトに任せきれない案件の取次をお願いしたいと。
正確には…自社の名前が出せない案件でしょう。
自社で責任を負いたくないヤバい案件を激安で押し付ける提携。
だけど報酬は欲しいから、右も左も分かってない新人に声を掛ける他士業。
だいたい相場は1件あたり2万円から3万円ですか。
2万円でバッジが飛んで前科者(在留資格不正取得罪)は割に合わなさすぎます。
私が断ったら、別の新人先生のところへ行って声を掛けていました。
繋がりも面識もない新人行政書士に近づいてくる士業は危険です。
ベテランからすると、新人との交流にメリットはありません。
若くてキレイな異性であれば、別の意味で近づいてくる人もいますが。
(ウチの支部や近隣でも気が付けば先輩事務所に入ってる人が多い)
別のヤバい事例
ある日の事、他府県の行政書士が電話を掛けて来ました。
着信を見てコールバックすると、配偶者ビザ申請をお願いしたいと。
話を聞くと、
・件の行政書士はピンクカードを持っていない。
・ベトナム人と結婚した男性のクライアントがいる。
・その夫婦の入管申請を自分の代わりに出してほしい。
・クライアントは非常に急いでいる。
・必要書類は全て預かっているから申請書を作って出すだけ。
・・・怪しさ120%ですね。
本人と面談して問題なければ対応できると、返答しました。
他府県の行政書士曰く、急いでるから面談の時間は取れない。
自分が本人確認をしているから問題ないとのたまっていました。
だったら受任はお断りします。
まともな行政書士だったら、受任しない案件だよとアドアイス。
ガチャ切りされました。
面識もない遠方の行政書士に仕事を振ってくる行政書士…
怪しすぎますよね。
車庫証明なら、遠方からの行政書士の問い合わせがあると聞きます。
建設業認可なら復代理が認められているけども…
国際業務に関しては、無理な相談ってヤツです。
問題なければ知り合いや近所の事務所に頼むはずです。
近隣の事務所に頼んだら、トラブったら後々も面倒になります。
遠方なら評判を気にせず後腐れもなく騙せますから。
申請取次欄に名前を書いて入管に提出したら、もう逃げられません。
全ての責任は貴方に押し付けられます。
この様な感じで、入管のヤバい案件はうさん臭いブローカーや業者経由だけではありません。
普通の士業や行政書士から懲戒直行案件が飛んでくることがあります。
この様に他士業や同業者が持ってきた案件=安全とは限りません。
特に面識のない人、あまり親しくない人は要注意です。
変な話だと思ったら、知り合いの行政書士や支部長などに相談が吉です。
少なくともヤバいから受けるなくらいのアドバイスはもらえると思います。
行政書士で一番重要な能力は、ヤバい案件を嗅ぎ分ける能力。
そしてヤバい案件から全力で逃げることです。
今日はここまで