円安だが,ドルは・・・ | 大阪の弁護士 重次直樹のブログ

円安だが,ドルは・・・

円安が続き,1ドル150円台が続いている。

 

【ドル円チャート 2Y】(チャート引用元はhttps://nikkei225jp.com/fx/)

 

では,ドルが強いか,というと,通貨間では比較的強い

【ドルインデックスチャート 5Y】(https://nikkei225jp.com/fx/より)

 

 

 

しかし,物差しを「金」に変えると,ドルも弱い状態と見うる

【金チャート 6M,2Y】(https://nikkei225jp.com/oil/より)

 

 

金に対して弱いドルに対して,円はさらに弱い。なお,明治初期,金価格は1グラム67銭だったが,昨今は1万2千円台で推移している(円の価値は金に対して2万分の1近くまで下落している)。江戸幕府の貨幣改鋳による搾取と,明治以降の通貨価値下落による搾取(2万倍)では,レベルが異なる(明治以降の搾取の方が格段に著しい)。形の上では「民主主義」だが,「中央銀行の独立」の名目により民主政府から独立した中央銀行が通貨価値を操作できるのが,英国発「民主主義」の権力構造であり,「徴税」に依存せず「戦費」等を調達できる構造になっている。

 

なお,私は,iDeCoの年金積み立てを,100%純金ファンドで行っていたが,上がり過ぎたとみて,いったん,変更する。ずっと先に受領するのであれば,あまり高い時期に買いたくないからだ(まだまだ割安と考え直して,戻すかもしれないが)。

【追記】売却時期を選べる投資信託で一部投資(@29650),あまりの円安・金高進行により,その大半を売却(@31563),売却時期を選べないiDeCoは純金に戻さず様子見。

【追記2】金の市場価格と三菱UFJの金ETF価格の大幅乖離が生じていた模様。

→ 金投資ブーム、現物ETF価格にひずみ 東証が注意喚起

ウクライナ戦争は,ロシア勝利の趨勢が一層強まっており,ほぼ,ミアシャイマー(シカゴ大学,国際政治学の大家)の予想通りに推移している。近時,ウクライナ政策・対露強硬策の中心人物だったビクトリア・ヌーランドは辞任した(実質,解任との指摘が多いが,日経新聞ではほとんど報道されない)。ヌーランドは2014年のマイダン革命・傀儡政権樹立を画策・遂行したこと,バイデン政権でウクライナ政策の中心人物だったことで知られる(夫はネオコンの論客ロバート・ケーガン)。

 

米ネオコン外交の終わりと日本の矜持|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 

 

プーチンは地政学的観点だけでなく,金融・通貨覇権の観点からも,戦略的に政策を遂行している。ロシアは石油・天然ガス・ウラン等の電力資源をおさえている。そして,昨今のAI革命によりデータセンターは大量の電力を使う

 

 

 

 

ドルは通貨の中では最強だとしても,必ずしも信認されているとも言えない状況があり,対ゴールドでは下落している。

 

金価格の上昇に見られるドル離れ・ドル不安の圧力が続くようであれば,FRBも容易に利下げ出来ないかもしれない。ドルもまた,不安定な状態にある。