今日はバナナの増殖に関する話。
バナナは野生種を除いて種はできない。
参考までにこれが野生種のバナナの子実。
このため、栽培種のバナナの場合、次世代を残すには株分けなどによる無性生殖を行うしかない。
本題の前にバナナは樹木ではなく、草本であることを明言しておきます。
「バナナの木」と呼ばれるように、そびえ立ってるが、植物学的には地上部は樹木ではなく草本となる。
(画像引用元)
バナナは地下茎が大きく、芋のようになっている。その芋から子株が発生し、芽が出てくる。
それをバラすのが株分けである。親株から子株が発生。
バラした状態。
(画像引用元)
しかし、これらの増殖方法はあくまでアマチュアでもできる、簡単な株分けのレベルである。
そこで、一気にもっと大量に増やす方法がある。
それは地下茎である「バナナの芋」を分割すること。
さっきも言ったが、「バナナの芋」とはイメージが湧かないが、バナナの地下茎は「こぶ」になっており、まるで巨大な里芋のようになっている。
こんな感じ
そのバナナ芋に存在する成長点を切り出し、育てると新たなる株となって生育していく。
サイコロ状にカッティングされた「バナナ芋」
芽が伸びてきた
育苗ポットに植え付け
(画像引用元)
次に紹介する方法は変わっている。
バナナの芋の根っこを切り落とし、切れ目を入れて痛めつけると、子株を次々と出してきて、そのつど、子株を採取し続ける方法。子株を採取されると再び次の子株が発生してくるようだ。
ただし、適当なところでやめないと芋が小さくなっていくだろう。
しかし、これらの方法はそれほど近代的ではない。何しろ、大きな芋からでも上記の動画から、20倍に増やすのが限界に見える。
大量に増殖することはできないためである。
ついでだがイネの場合、平均的には一粒が500倍に増殖する。上手くいけば1000倍近くに増殖できることもある。
そこで、現代ではバナナの苗のメーカーはバイオテクノロジーを駆使して大量に増殖するのである。
それは顕微鏡でバナナ芋に存在する成長点を見つけて、小さな切片にして、切り取り、シャーレで培養していく。
先程のバナナ芋に比べると随分と小さい切片だが、この方法なら大量に何百倍も増殖できる。
なお、無性生殖なので遺伝的には親とまったく同じ性質のものができる。
(画像引用元)
![車](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/125.gif)
![地下鉄](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/226.gif)
![飛行機](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/129.gif)
(参考)
なおバナナは植物防疫の都合上、熟していない状態で輸入されてくる。それをガスで熟させるのである。
(画像引用元)