子供の人生「親ガチャ」影響どこまで 18歳までの「逆境体験」が及ぼす将来リスク判明
主に福祉関係の方(学生含む)向けの記事となりますが、関心のある方はどなた様も御覧ください。
以下は産経新聞のネット記事から抜粋の上、転載しました。文章を読みやすくするため、適宜改行しています。
なお、抜粋版では曖昧理解となりかねないので、改めて全文を読むことをお勧めします。
(元記事)
ACE研究に取り組む龍谷大の三谷はるよ准教授=大津市の龍谷大瀬田キャンパス(西山瑞穂撮影)
親から尊重されず暴力や暴言を受けたり、親と別離・死別したりする「逆境体験」を18歳までに多く経験すると将来どういった影響が出るのか-。
全国2万人を対象にした調査の結果、心身の病気や経済的な苦境、人間関係上の困難さといった人生のあらゆるリスクが高まることが明らかになった。子供期の逆境体験は英語の略語から「ACE(エース)」と呼ばれる。
~(中略)~
18歳までに、
・親から殴られた
・家族から大切に思われていないと感じていた
・親が別居や離婚をした▽母が暴力を受けていた
・家族がアルコールの問題を抱えていた
(他にも6項目あり)
-などACEとなる10項目を質問。
その結果、スコアが4以上の人はゼロの人に比べ、健康面で、
「重度のうつ・不安障害」に4倍、
「自殺念慮あり」に4・4倍、
社会経済面で「中卒」に2・9倍、
「失業」に1・8倍、
人間関係で「未婚」に1・3倍、
「離婚」に1・9倍
なりやすく、スコア1~3でも段階的にリスクが増加する傾向があった。
さらにスコアが高いほど人に頼ることができないため孤独や孤立に陥りやすく、3以上の人は自身が子供を虐待するおそれも2倍ほどに。
逆境が世代間で連鎖しやすいことも示された。
~(中略)~
「生まれ育った環境次第で手かせ、足かせがつけられる。大きな不利を背負い、生きづらさやしんどさを感じている人が少なからず存在するのが現実だ」と三谷氏。
(抜粋終わり)
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(私見)
「親ガチャ」
子供は親を選べないことから、「ガチャガチャ」に例えている。
一般的に日本では「逆境こそ人間を強くし、むしろ逆境を積極的に経験するべき」と考える人は多い。
そして、年齢が高くなればなるほどその傾向が大きいように感じる。
まあ、逆境には実際、プラス面もあるだろうが、それは程度の問題。
筋トレと同じで「程々の負荷+十分な休養」がセットなら少しずつ成長していくが、負荷のかけすぎは害でしかない。
自分が思うに逆境推奨派の人には「成功バイアス(偏り)」がかかり過ぎている。
昔ながらの日本人にありがちな、たくさんの失敗や悲劇になった事例にはフタをし、「なかったこと」にしている。
なお、私がボランティアで出入りしている福祉施設の利用者さんの男性(80)は実習に来ている福祉学部の学生さん3人の前で、キッパリと次のように言い放った。
怒りの感情を隠さず、やや攻撃的な口調で、学生さんに向かって、
「なんとまあ、最近の若い子は、子供は親を選べないことをガチャガチャに例えて親ガチャと言うそうやないかぁ!
まったく、そんな事を言うんやったら、
ワシなんか、親ガチャ失敗の大先輩やぁ!
「なにしろ、うちの親父は旧日本軍の陸軍の将校だったが敗戦。家族を養うために仕方なく、炭鉱で働いたがプライドは滅茶苦茶。それで、すっかりと人間的に歪んでしまって、酷いアル中になってしまった。家庭は地獄だった...」。
昔を思いだしてムスッ!。
まったく、この老紳士は世間の(多くの)高齢者と正反対のことを声高に叫んだのである....。
この老紳士の発言は、一般的な社会規範からするとまったく、褒めれらたものではなく、ナンセンスに思える。
というのは、若者には不都合な真実は言わず、建前上の理想論だけ言って諭すのが日本流で無難だからだ。
しかし、福祉学科の学生さんたちは「おおー」という感じで感心していた。
どうして感心したかいうと、年齢というプライドを投げ捨て「心の窓」を開放し、本当の自分を正直にさらけ出したからである。
この80歳男性は福祉学科の学生さんにとって、立派な「先生」であった。
障害者関連の福祉職は、他人の人生に交錯していく仕事でもあるから、「色々な人の人生経験談を偏らず、たくさん聞いた方がいい。
もう一度URL。
重ねて、全文を読むことをお勧めします。
以下は蛇足っぽい話となるが、機能不全の家庭でありがちなことは、先祖代々、発達障害の遺伝子を受け継いでいるケースが多い。
なお、スピリチュアルな思想を持っている人の中には「子供が魂のレベルで親を選んでいる」と考える人がいます。
この考え方の最大の弱点は、客観的な「科学的な根拠」を示せないことです。
非科学的な思想ですが、現象として見るならば、ある程度はありそうな気もする。
また、両親は立派な方で、何ひとつ不自由ない裕福な家庭で、学校にも問題がないで(あろう)環境で育っていても、子供が大きな問題行動を起こす事例は世間にはたくさんあります。
やはり医学的に考えるなら、遺伝的にも環境的にもまったく問題なくても、※例外的にどうしても一定の確率で発生してしまいます。
この場合は「子供ガチャ」失敗と言えます。
また、現代では極端にバランスの悪い食事、添加物・環境ホルモンが精神に悪影響を及ぼすようです。その被害の程度はけっこう、大きいようです。
これは子供や若者に限らず、あらゆる年齢に言えます。だから、食育も重要です。
※しかし、まあ、どうも、例外として扱うには事例が多過ぎると思う。