2019年の12月下旬ごろの話。

 

 

駅のホームでの男子学生たちの話。

 

 

要約すると、オートマチック車ではなくマニュアル車での免許を摂ろうとしている。

 

 

・アクセルをぐっと素早く踏まないと後ろに下がる!

 

・坂道発進のプロになる! 

 

などと思いを熱く語っていた。

 

やれやれ、今の時点(教習生)ではサイドブレーキを使えばいいではないか。

 

 

慣れたらサイドブレーキを使わない坂道発進など自然にできるようになっていくのである。

 

 

もっとも私の場合はアクセルとブレーキを右足で同時に踏む(レーサー気取り)ことでスムーズな坂道発進をしていた(笑)。

 

 

18歳当時の私は、「クルマの運転が上手でありたいよ病」にかかっていた(自嘲)。

 

 

坂道発進の基本は、

 

①サイドブレーキを一杯に引き

 

 

②クルマが少し「前のめり」するまでクラッチワークをする

 

 

③これでサイドブレーキを解除してもクルマは後ろには下がらない。←(だって車が前にのめってるんだから後ろに下がるわけない)

 

 

④そしてアクセルをたくさん踏んでクラッチワークをすれば問題なく発進できる

 

 

上り坂では体が後ろにもたれるので足先の感覚が変わって、アクセルの踏み込みが甘い場合がありエンストすることもある。

 

 

「素早くやらないと半クラの時間が長くなりクラッチ板がすり減ってしまう!」などと心配する必要は全くない。

 

 

なぜなら、私は20歳の頃、マニュアル車を新車で買い、廃車するまでに16万キロほど乗ったが、クラッチ板は一度も交換していない。それほどクラッチ板は長持ちするモノだ。

 

 

坂道発進などすぐに上達するし、仮にクルマを手放すまでにクラッチを1回余計に交換することになったとしても国産普通車の場合、クラッチ交換の相場は高くても10万円らしい。

 

 

それならば、後ろの車に当たって面倒な思いをするぐらいならいくらの出費でもない。

 

 

坂道発進など安全な方法で落ち着いてゆっくりやればいいのだ。

 

 

さて、話は現代の教習所ではなく30年ほど前、私が通っていた地方都市での教習所の話となる。

 

 

教官は「クラッチがすり減るから早くしろ」などと叱ってプレッシャーをかけてくる始末であった。

 

 

また、上り坂でエンストするとクルマが後退するので、すぐにフットブレーキ踏まないといけない。

 

 

なので坂道発進の失敗時を想定して、教習所内であるからこそ、わざとエンストさせて「間髪入れずブレーキを踏む練習、そしてエンジン再始動の練習をさせるべきだ。

 

 

さらには、クラッチを切ったまま、ブレーキからわざと足を離し、どれくらいクルマが後退するかを体感しておくといい。実際にはほとんど下がらない。

 

 

坂道発進の失敗をわざとやって予行演習をしておくことで、精神的に余裕が出てきて案外、坂道発進自体を失敗しなくなると思う。

 

 

そもそもだが、教習所では一定時間、坂道発進だけ何回も集中して練習させるべきじゃないのか?

 

 

カラオケに例えるとまるまる一曲歌っても一番苦手な部分はたった二回しか練習できないようなものだ。これでは苦手部分の上達が遅いに決まっている。

 

 

もう一点、大事なことを言っておく!

 

 

練習時は自分と教官の二人乗りだが、検定時は4人乗りとなることがある。

 

 

この場合、当然、いつもと同じアクセルの踏み加減ではではエンストしてしまうことになる。