鎌倉中佐とヘルベック中佐は地球への帰還するための作戦立案のプレゼンテーションの準備に取り掛かった。
これはあくまでもこれは基本中の計画であり、戦況の状況では変化する可能性のある作戦である。
二人は黙々とグローバル艦長を始めとする高級将校達に説明する。

鎌倉中佐「土星を通過し、次に我々がなすべき事はかつて火星開発のために設営され廃棄された火星サラ基地で物資の回収をする事です。」

ヘルベック中佐「この基地には火星からの撤収の際に放棄された非常食や補給資材が残されています。これを確保すれば、地球までの帰還の際までは心配なく敵の襲撃なしであれば安心して帰れます。」

彼らが中継地点として定めているのがかつて火星開発を行っていたサラ基地である。
統合戦争が激化し地球へ帰還したが・・・・途中地球帰還船団は反統合ゲリラの攻撃で全滅した。
そこで初めて反応弾が使われたと言う記録が残っている。

地球への帰還の際に余分な食料と物資を大量に放置しており、地球への帰還の際は食料不足と補給資材不足にならずに済むと言うのである。

朴中佐「君たち、補給云々の話をしているが戦闘の方はどうなんだね?」

ヘルベック中佐「当然考えていますが、正体不明である異星人についての戦術は偵察の報告でいろいろ修正させていただきます。最初から敵を想定した戦略を立てすぎると、想定外の出来事は多く発生するかと思っています。」

朴中佐の指摘の通り、さすがに敵に対しての作戦は立てていなかった。
無理もない、正体不明の異星人の軍(ゼントラーディ軍)の全貌が分からない今無理に作戦を立てることはできない。
無理やり押し込んでも実戦で想定外の事が頻発し、せっかく前もって立てた作戦が無意味に終わってしまう。

鎌倉中佐「今回キャッツアイスカウト部隊の情報を元にした作戦ですが、敵艦は少なくとも50隻以上いると思われ艦はマクロスと同等であり艦載機部隊は1000機は超すかと思われます。」

「1000機」

これを聞いた一同は1000機の数に驚く。
1000機と言う数はかつての中国が保有していた戦闘機の数と同等である。
小国の軍が大国の軍に挑むかのような感覚であった。
正面で戦えば数で劣るマクロスは一たまりもない。

マイストロフ大佐「勝算はあるのかね?」

鎌倉中佐「勝負するには月面の宇宙軍総司令部の艦隊と合流する事です、そのためにも敵艦隊との正面衝突を避けるため土星リング周辺を迂回します。若干遠回りになりますが、それしか道がありません。」

朴中佐「遠回りだと?その方が危険が長引くだけではないのか?」

鎌倉中佐「無謀に強行突破して多大な犠牲を出すよりかはマシです朴中佐!!!」

鎌倉中佐と朴中佐は激しく言い争いをする。
確かに危険は長引くが正面突破して多大な犠牲を出すよりかはマシである。
正面突破は下手したらマクロスが撃沈される危険性も出てくる。
お互いに譲らない様子だったが・・・・・・・・・

張大佐「朴そこまでにしろ!」
地球統合空軍元南アタリア島副司令官.大佐張用徳

朴中佐「しかし。」

張大佐「鎌倉中佐の言う通りだ、それに最終判断するのはグローバル艦長だぞ。」

朴中佐「艦長・・・・どうするんですか?」

朴中佐はグローバル艦長に判断を仰ぐ。

グローバル艦長「鎌倉中佐とヘルべック中佐の案を採用しよう。」

朴中佐「艦長・・・・・・」

グローバル艦長が選んだのは迂回して土星リング周辺を迂回する事である。
土星のリングならば潜伏するのもいいし、敵に発見される可能性はかなり低くなる。
そこを通れば、なんとかなるかもしれない。

その後は土星迂回潜伏ルートを取った。
そこで補給し一気に火星方面を突破するのである。

そしてマクロスは天王星を越え目標の土星付近に到達しつつあった。
そんな時であった。

桐原中尉「うひゃぁお前、俺達と同じ世界に入ったんだな。」

カール「ごもっとも所属していた輸送機が使えんじゃ、俺の仕事はなくなるんでな。可変戦闘機乗りにならんと俺は軍人の皮を被った無職さ。はははははは。」

機種転換組の訓練が終わり、それぞれの部隊に配属されていた。
そんな中には輸送機乗りのカール・レーガーがいた。
相変わらずグラサンをつけワイルドな笑顔をするカール。
桐原はそんなカールには親近感が覚えていた。

桐原中尉「大尉殿の機体はどんなのですか?興味あるんすけど?」

桐原はカールにどんな機体に乗っているのか質問をする?

カール「俺の機体を見たいのか?」

桐原中尉「当然じゃないですか、機種転換を果たした大尉殿がどんな機体に乗っているのか興味ありますよ。」

桐原の質問にカールは首をかしげるが桐原は目をキラキラさせながら自分の事を見ている。
当然興味を持っているのは桐原だけじゃない、後ろにいた佐枝子と滝田も乗っかってきた。

カール「しょうがない、全員ハンガーへ来るんだ!パイロットスーツ着こみでな。」

カールは圧力に負けたのか3人を自分の機体を見せる事にした。
そして4人でプロメテウスのハンガーへ辿り着いた。
彼が配属されたのはSVF-37レッドブルズと言う部隊に配属されたと言う。
すると目の前に青い機体が見えてきたこれが彼のバルキリーである。

桐原中尉「このマークはなんだ?」

三浦佐枝子「牛のようね。」

桐原と佐枝子は牛のようなエンブレムを見た。
まるで普通の穏やかな牛ではなく怒っているような感じであった。

カール「レッドブルだ、部隊名にある通りのエンブレムだよ。」

桐原中尉「それじゃあこいつはA型か?」

カール「それは違うな。」

桐原中尉「違う?」

カール「JA型だよ。」

「JA型?」

一同はJA型の単語に驚く。
普通バルキリーは基本A型・D型・J型・S型の4機種を思い浮かべる。
だがJA型じゃない、カールはJA型について説明する。

カール「こいつはA型ではあるが、実質的にはJ型に近いようになっている。」

滝田中尉「まさかだが、こいつは日本で造られた奴じゃないのか?」

カール「まさにその通りだよ、こいつは日本でA型を検証するためには作成された機体だ。」

VF-1バルキリーのJ型は日本で製造されている。
日本の技術者が北米で製造されたA型を元に作れるように練習として作成したのがJA型である。
これが成功しJ型は配備され、その1号機はロイ・フォッカーが予備機として持って行ってしまった。
お役目ごめんとなったJA型だが、その後なぜか南アタリア島にありフォールド後マクロスに回収された。

それが偶然カールの元に回ってくた。

桐原中尉「大尉殿俺の機体と交換してくれ!」

カール「なにぃぃぃぃ!?」

桐原中尉「レアな機体だろ、俺も乗り・・・・痛ててててて・・・・」

三浦佐枝子「やめなさい。」

佐枝子はJA型の交換を強請る桐原のケツを引っ張る。

桐原中尉「冗談、冗談だっての。」

三浦佐枝子「ならばよろしい。」

カール「まったく・・・・・」

カールは桐原と佐枝子の漫才の様子に若干呆れる。
よく考えたら今まで付き合った彼女とはこんな事はしなかったなと・・・・・・

カール「まぁ今後共にやる仲間だ、その時は一緒に頑張りましょうや。」

桐原中尉「あぁよろしくな。」

滝田中尉「こちらこそ。」

三浦佐枝子「よろしくね。」

カールは握手を求めるかのように手を差し出す。
桐原.滝田.佐枝子はそれに答えるかのように一人一人握手し、カールを歓迎した。
戦争中とは思えないような笑顔を浮かべながら。