ラウラがレミアの駆るファントムⅢと対峙している頃
6機のVFー1バルキリーが飛行していた。

飛行している編隊は・・・・・
前方に2機の編隊と後ろを追いかける4機の編隊で構成されており
一定の距離を保ちながら月面の海を飛行していた。

吉野大樹「本多中尉付き合わせてすまない、急な哨戒飛行に付き合わせてしまって」

本多義輝「いえ、むしろ選んでくれて感謝しています。」
新統合軍アンサーズ中隊ハウンド小隊隊長.本多義輝中尉

アンサーズ中隊副隊長である大樹はアンサーズ中隊所属ハウンド小隊を選び・・・
機種転換センターにいる茂人からの哨戒飛行を部下の神楽と共に実施し・・・・
出撃し1時間経った今も決められたルートの哨戒を行っていた。

茂人からの哨戒飛行命令、正直何のためにするのか分からない

哨戒飛行は基地守備隊の仕事であり・・・・
宇宙軍予備艦隊所属であるアンサーズ中隊の仕事ではない。

何故、このような任務をするのか分からない

エラ「ハウンド2から・・・・」
新統合宇宙軍イ・エラ少尉

本多義輝「少尉、それは今の任務では言う必要がない」

エラ「すいません」

ハウンド小隊の副官であるイ・エラが何か言おうとしてたが・・・
小隊長である義輝が静止した。

今の任務に定期報告する必要はない。

単に中隊長である茂人の意味が分からない任務内容・・・
ご丁寧に哨戒任務を実施する必要はない・・・・
そう思っていたが・・・・

エラが何かに気がついた。

エラ「ハウンド2・・・おほっん、副隊長前方に何か見えます」

吉野大樹「前方に?なん・・・・戦闘の光?戦闘の光!?」

本多義輝「戦闘の光だな、友軍が戦闘しているのか?」

戦闘の光・・・・戦闘の光・・・

目の前にある光にエラはここにいる誰よりも先に気がつき報告・・・・・
報告を受けた大樹は最初は疑うが目の前にエラの言う通り光が見える・・・・
その光はよく宇宙における戦闘でよく見かけた光・・・・『戦場の光』

大樹は戦場の光を見て顔色を変え・・・・

吉野大樹「神楽少尉、ついてこい」

神楽賢二郎「ハッ」
新統合軍.神楽賢二郎少尉

本多義輝「副隊長!?どうし・・・」

吉野大樹「ハウンド小隊は側面から回れ!行け!!」

本多義輝「ちょっ・・・・」

同じ小隊のメンバーである神楽を引き連れ飛び出して行った。

飛び出した直後に大樹は何が起きたのか分からないハウンド小隊に・・・
側面から回るように命令を出しており義輝らは困惑していたが・・・
すぐに内容を理解し隊員らに指示を出した。

本多義輝「ハウンド3とハウンド4は右翼へ、左翼は俺とエラで行く!!」

エラ「りょ了解!」

アリサ「了解」
新統合軍アリサ・バレンタイン准尉

クリス「おうとも」
新統合軍クリス・マクドナルド准尉

義輝らは左右二手に分かれ大樹からの命令を実行しようとした。

ただ命令通りに従っても上手く機能するか分からない。
命令に従い上手く実行するには自分達が動きやすい形で実行すれば最適
そう考えた義輝は副官であるエラを引き連れ左翼へ、アリサとクリスは右翼に展開
戦場の光が見えるエリアに急行した。

ラウラ「回避するのがやっと、反撃ができない」

一方、レミアを筆頭とする反統合勢力とゲラムの私兵集団と戦っていたラウラは・・
1対6と言う不利な戦闘を強いられ反撃できない状況に陥っていた。

ゼントラーディ軍時代クァドラン・ローを駆り第一次星間大戦を生き延び・・・
長らく海兵隊のエースパイロットとして活躍してきたラウラであったが・・・
可変戦闘機パイロットとしては新人であり、慣れない機体だけあって・・・・
更に敵はエース級の腕前もあってか、防戦以上の事が出来なかった。

ラウラ「クァドランの方がまだマシだよ、これじゃ防戦以外できない。」

クァドラン・ローであれば、苦戦しつつも反撃は出来たが・・・・
慣れない可変戦闘機ではそれが出来ていない・・・・・
愚痴混じりにラウラはクァドラン・ローの方がマシと言う本音を呟いてしまった。

もっとも愚痴を吐いてしまって結果は変わるわけではない。
どうにかしてこの状況を抜け出せなければ意味がない。

ラウラは苦しさを心の中に閉じ込め、タイミングを見て攻勢に出ようと考えた。

カルカ「そろそろ終わりにしてやるよ!統合政府の犬め!」

ラウラ「こいつ!?」

攻勢に出ようと考えているラウラにカルカが執拗に襲う!

ファイター形態でミサイルを放ち、ある程度の距離をとって・・・・
ミサイルを迎撃しようとするラウラにバトロイドで銃撃を食らわせようとするなど
何度もラウラに命の危機に陥らせる

カルカのみならず、レミアらゲラム私兵部隊もいるので・・・
更にラウラを追い込む・・・・・・

「ジフォン特士長、私とアルチョム特士で連携し確実に落とします」

レミア「あぁ奴は相当な回避技術を持っているから気をつけろ!一瞬の隙を見つけたら死だ!」

「Я понял!(了解です)」

ゲラム私兵部隊所属の2機のSvー53が連携を取り、ラウラに迫った

レミアはラウラの実力を評価しており、2機の僚機に忠告をし・・・・
僚機はレミアからの忠告を聞き入れラウラに対し連携攻撃を開始した。

ラウラは一瞬の隙を見つけたら直ぐ様反撃に移り、一気に攻めてくる
今までの戦闘を経てレミアが考え推測したラウラの行動予測であり・・・
行動予測を元に僚機に忠告をし、惹き付けている隙にラウラ撃墜しようと思った

ラウラ「2機が来る?連携で仕掛けようと言うの?」

連携し接近する2機のSvー53にラウラはどう動くか考えた。

独断で動くカルカ、そして残りのSvー53
そしてファントムⅢを駆るレミア・・・・・
強敵に集中攻撃され回避する中での連携攻撃・・・とても厄介

どうする・・・・

ラウラは焦らないように冷静に突破口を見つけようと考えた。
そう簡単に見つかるような話ではないが・・・・

ラウラ「!?」

カルカ「ゲラムの私兵だかなんだか、知らないが奴を討ち取るのは私だよ!」

ラウラ「相変わらずこいつしつこい・・・・」

必死になり突破口を見つけようとしているラウラにカルカが襲ってきた。

以前からラウラに攻撃を続けていたカルカだが・・・・
ゲラム私兵部隊の2機のSvー53が連携攻撃仕掛けてた事に呼応して
更に激しい攻撃を仕掛けてきた。

ただでさえ苦しい戦況が更に悪化してしまう・・

機動力は劣るがラウラが得意とするバトロイド形態で戦っている事もあり・・
徐々に掠り程度だが被弾率も上がってきた

ラウラ「やるとしたら、あの1機から・・・」

こうした中でラウラはゲラム私兵部隊の1機のSvー53に狙いを定めた

狙いを定めたSvー53は連携せず単機で襲って来ている1機で・・・・
これは賭けに近い事だが、一瞬の短い時間を使いガウォークに変形し
バックし、機体の背後をガンポッドで狙って撃墜しようとラウラは考えた

しかし

タイミングを誤ればラウラは撃墜され戦死してしまう可能性がある
それに現状維持がやっとの今、一つでもタイミングずれたら・・・

ラウラ「吶喊!決死決行!」

レミア「何!」

死を覚悟したラウラは自身の作戦を実行した。

ガウォークに変形し、弾が当たる寸前に急バックした。
急バックしてから1秒や2秒の時間の差でラウラを狙ってたミサイルの一つが爆発
爆発の影響を受けるが、ラウラはすぐにバトロイドに変形し・・・・
爆炎が晴れ少しだけ見えるSvー53の後ろ姿を見つけ発砲した。

「がは・・・・」

「ボゴム!くそっ!」

ラウラの放った銃弾はSvー53の背後に命中しエンジンを破壊した。

エンジンが破壊されたSvー53はボコボコになり・・・・
誘爆により宇宙の塵となって消えた。

近くにいた非連携のSvー53は僚機が撃墜された事に怒りを覚え・・・
ラウラに向かってバトロイド形態で突撃を開始・・・・
それに対しラウラはレミアやカルカらの攻撃を避けファイターに変形・・・
突撃してくるSvー53に対し特攻を仕掛けた・・・

「バカなカミカゼか!うわぁ」

ラウラ「バカッ!カミカゼで死ぬ私じゃない!死ぬのはお前だ!」

特攻を仕掛けてくるラウラにSvー53のパイロットは恐怖を覚え怯んだが
ラウラは操縦桿を握りグルンと、機体を回転させバトロイドに変形し・・・
ガンポッドで機体背後に向け発砲し命中させた。

怯んで何が起きたのか分からないまま・・・
Svー53は一瞬にして中破し・・・・
止めにラウラを狙おうとしたカルカのミサイルと銃弾に命中し爆発した。

レミア「あのパイロット、中々手強いな・・・統合の犬にしておくのは惜しい」

「ジフォン特士長!連携し追い詰めますか?」

レミア「悪くない、最悪ゲリラのSvー53をフレンドリーファイアも許すフォーメーション・デルタ+3」

「Я понял!」

防戦が続くラウラが一瞬の隙を突いて2機撃墜した事を受けて・・・・
レミアは2機のSvー53と連携を開始フォーメーション・デルタ+3と言うフォーメーションを組んだ。

ラウラが予想以上の力を発揮し2機撃墜した・・・・
このまま放置しておくと今後の活動に大きな影響が出てしまう・・・・
新統合軍にラウラ程のエースを置くと活動しにくくなる

力を発揮したラウラに危機感を感じたレミアは確実に撃墜しようと考え・・・・
2機のSvー53と連携しながら、ラウラの目の前に接近しバトロイドに変形した。

レミア「これは避けられるか!」

ラウラ「!?ヤバッ」

目の前で変形したレミアの駆るファントムⅢに驚いたラウラは隙を生じてしまった。

隙を突いてレミアはバトロイド形態で至近距離銃撃を食らわせ・・・・
ラウラの乗るスターミラージュの左脚部を破壊・・・
なんとか距離を取ろうとするも、2機のSvー53からのミサイル攻撃を受け・・
なんとか回避に成功するが、再びレミアからの銃撃で右腕部を破壊された。

ラウラ「こ・・・これ以上は・・・・」

強烈なレミアからの攻撃・・・・・・・
これによりラウラの戦闘力は大幅に削られ、逃げることしか出来なくなってしまった

ーこのままでは死ぬ・・・・ヤバい

心の中でラウラは本気で死を覚悟し・・・・
気を引きしめ自身の反撃を諦めレミアらからの退き基地まで撤退しようと考えた

ラウラ「これより基地に帰還する、これ以上無理だ!」

早瀬亜樹『了解、オデュッセウス中隊も直ぐ様救援に出るので少しの辛抱を!』

ラウラは基地まで撤退すると管制室にいる亜樹に報告をし・・・
レミアらの攻撃を退けつつ撤退を開始した。

攻撃は激しく、なんとか回避に専念してた為短い距離でも移動するのが困難だった。
一応基地からガフル率いるオデュッセウス中隊が救援に駆けつけてくれるが・・・・・
それまで持ちこたえられるか・・・・

そんな中で・・・・

カルカ「もらった!」

ラウラ「くそ、しつこい奴が1機・・・」

撤退中のラウラの側面を突いてカルカが迫った!

側面に警戒心の無かったラウラは完全に青ざめ・・・
カルカからの攻撃を避ける事が出来ず死は免れないと悟った。

可変戦闘機パイロットに憧れここまで来たのにこれで終わるなんて
ここで戦死してしまうとは、軍人として人としての人生が終わり・・・・
もう少し地球文化を楽しみたかった・・・・・

死を悟ったラウラは涙を流しこの世との別離を悲しんだ

が・・・・・・・

カルカ「がっ攻撃あぁ」

ラウラに止めを誘うとしたカルカだったが、銃撃を受け墜落した。
死を覚悟していたラウラは目を見開き、攻撃を回避しつつその光景を目の当たりにした。

カルカの機体は、月面に不時着しそのまま動かなくなった

あまりにも突然な出来事にラウラは驚いた。
死を悟り人生の終わりを予感してたが、予期せぬ出来事で救われた。
一体何が起きたのか?

必死になって辺りを見渡すと1機の灰色をしたVFー1バルキリーが・・・・
ガンポッドを向けながら立っていた。

ー「危なかったなルーキー」