私が一番好きな池島監督作品は、この「イマーゴ」です。何回見ても新鮮な発見があります。


池島ゆたか作品91本目。

公開タイトルは、『熟女・人妻狩り』
監督・池島ゆたか
脚本・五代暁子



(感想)
ナンパした女をいきなり、ワインでなぐって気絶した所をガムテープでくくりつけてレイプして殺してしまう冒頭のシーンから、最後まで息をつかせぬ展開で最後まで一気に見せる。「月光の食卓」のようなサスペンスタッチの傑作。

原田を演じる竹本泰志の残忍でクールな猟奇殺人鬼に観ているうちにぐんぐん引き込まれて…。恐るべし。

原田優作(竹本泰志)は表の顔は温厚そうな酒場のマスター。裏の顔は女に異常な憎しみをもつ精神異常の殺人鬼。ルックスの良さを利用して、次々に女をナンパしては、レイプのあとに残忍に殺していく。凶器は母親の形見の帯紐で絞め殺す。どんどんエスカレートして…。

母親に対する愛と憎しみが、女全体に対する怒りになっていく。彼がターゲットとするのはナンパしてホイホイついてくる尻軽女。彼女が人妻と知って怒りは倍増する。亭主に隠れて男を誘いやがって。また、援助交際で引っ掛けた若い娘。離婚協議中に弁護士と浮気している女。女への憎しみはエスカレートするばかり…。

やがて、行き場のない怒りは世界中の女への復讐へと昇華されていく…。

殺すのは殆ど自宅。
殺した後は、黒いゴミ袋にいれて捨てる。援交の若い娘を殺した死体を駐車場のとなりの劇団のボックスカーに後部にマネキン他の荷物と一緒に置きすてるが、部屋に戻って、酒場のマッチがないことに気がついて、急いで車に戻って、ゴミ袋を開けて、死体からマッチを取り出すシーンはつばを飲んだ。

走りだす車。声をひそめて硬直した裸の死体と格闘する殺人鬼。緊張感あふれる中で、汗まみれになりながら指をひとつひとつこじあける原田(竹本)。なんとか外して、コンビニで止まった隙に車から飛び降りて、タバコに火をつける原田。目の前を車の運転手の劇団員が横ぎっていく。

す、すさまじい。最後に屋上で取り押さえられた時も「俺は原田じゃない。俺は神なんだ」と狂ったように叫ぶ。

最後に原田と闘った私立探偵・竹宮ユイ(佐々木麻由子)も堂々とした演技で殺人鬼の原田(竹本)と互角にやりあっていて、首を絞めるシーンで目をひんむいた迫真の演技に、火花がバチバチ飛んで圧倒されて見いってしまった。

元カレの弁護士に頼まれて、たまたま殺人鬼とかかわっていく。婚約者がいながら元カレに助けてもらったからと平気でSEXを。

よりを戻そうという男に「私、結婚するから」。
こういう女の残忍さと、如才なさ。
殺人鬼に対する怒りはあるが、色々と考えさせられる作品だった。
母親を通して女の残忍さ、馬鹿さに対しての屈折した怒りが伝わってくる。

「そうやって女が世界を駄目にしていくんだよ」

どんな人間の心にもある闇の部分。また救いようがない女の業をひしひしと感じた。

最後に竹宮ユイ(佐々木麻由子)が元カレに首を絞められそうになっている夢を見て飛び起きる。そこに婚約者が出張から帰ってくる。

裸の彼女をみて、婚約者の目に殺人鬼とおなじ匂いを本能的に感じて恐怖に震えるラストシーン。
見事だ。

いやあ、面白かったので★五つ。

★これもレンタルされています。検索してみてください。(^_^)v