『地獄のローパー 第1章』(R-18)片岡修二監督

正式なタイトルは『逆さ吊し縛り縄』。
公開タイトルは
「激しいSEX 異常愛撫」

★上野オークラ劇場で12月26日から1月1日まで公開中です。

『地獄のローパー1』4

監督・脚本は片岡修二
原作・春野妖鬼(『地獄のローパー』より)
撮影・志村敏雄、9音楽・芥川たかし

(感想)
滅茶苦茶見たかった作品。やっと鑑賞することが出来た。内容は超マニアックなSMもの。ミスターピンクこと池島ゆたかは、SMクラブの変態支配人で登場する。感情を殺した無表情の怪しい男をイキイキと演じていた。それに輪をかけてクレイジーなのが謎のサディスト役の主演の下元史朗。

この作品は第1章と第2章が
あるが、第1章では普通の変態だった下元史朗が支配人に少しずつ調教されて、正しい変態男に加速度をあげて進化していく。

彼の標的は、高校生のスケバングループ。遊びのつもりで買った女子高生に脅迫され、リンチにあい片目を潰されてしまったから。彼女の仲間を次々と襲いSM地獄にと籠絡していく。

最後の一人と戦って、ラストに両目を潰されても、なお果敢に縄を扱い、女を捕らえようとする凄まじい執念と気迫に思わず唾を飲んだ。

縄で縛られ、恍惚とした表情の少女をクレーンで高く釣り上げ、夕日に照らされる中を責め続けるシーンはなんともいえない切なさに胸がしめつけられるようだった。

今見ても、全く古さを感じない。全編を支える明るいポップなBGMが作品の暗さを救っているような気がした。

今でこそ同性愛やSMの世界が違和感なく受け入れられるようになってきたが公開当時はさぞや斬新で衝撃的だったのでは…。

第2章では、女に異常な憎しみを持つ男に外波山文明が登場する。短い登場だが強烈なインパクトが残る。池島ゆたか、下元史朗とあくの強い役者が織り成す、淫靡な快楽の世界が、時にはコミカルにそして、徹底的に残酷に描かれていく。

救いようがない内容なのに見終わった後になんともいえない不思議な爽快感さえ感じるのは、男優達の底しれぬ演技力の生み出す殺気のせいか…。
面白かったので星4つ。

正式なタイトルは
『逆さ吊し縛り縄』 が1985年製作公開。その続編として『地獄のローパー、緊縛・SM・18才』が1986年に製作、公開された。片岡修二監督作品。
(2010年10月観賞)

詳しくは
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