何事もなかったように始めさせていただきます。
今回は森川楓子著『林檎と蛇のゲーム』です。
このミス大賞受賞作です。
中学生の女の子珠恵は母親を事故で失っており、父親と長らく二人暮らしでしたが、父親が長期の海外出張になり、小学校時代の同級生水野を世話役として家に呼び込みます。
水野はクールな美人で珠恵に媚びることもせず、淡々と留守番をしますが、珠恵は水野が父親の再婚相手と勘ぐります。
そんな中、珠恵が近所の変人占い師(女)と猫でトラブルになります。
占い師が猫を殺したことから、珠恵が抗議に行くのですが、占い師は血塗れで倒れております。金庫は開いており、物盗りの犯行のようです。
気が動転して、その場を逃げ出しますが、近所の人に見られてしまいます。
水野に打ち明けると、すぐに逃げるよう勧めます。
なぜか、水野の使命は、父親が隠し持っていた一億円の現金を護ることでした。一億円の出所を巡って痛くもない腹を探られたくない、と。
珠恵の逃避行とオーバーラップして、父親が小学生時代に一億円を得るまでの物語が徐々に明かされます。
確かに読ませる筆力はあり、キャラは立っております。
タイトル名とストーリーもリンクしております。
しかし、理由がヤクザの酔狂という、あまりにもアイデア偏重で納得できない動機で物語が回転しております。
ですので読み終わった後に何かが残るということもありませんし、感動もしません。
退屈という程でもなく、要するに微妙なのです。
このミス大賞ってそんな話ばかりですね。
『シャトゥーン』はアメリカのB級ホラーみたいだし、『四日間の奇跡』もなんだか大した事ないし。
『サウスポーキラー』はよく出来ていたと思いますが。
乱歩賞もそんな気がしますが。主催者の圧力で「受賞なし」を避けたかっただけではないか、と。
それでは、また。