週末は母の一周忌があり、娘と東京に行っていました。
ちょうど一年前にシチリアから日本に帰ってきて、2日後の夜に母危篤の連絡があり、
翌日に意識不明の母と病院で再会したあと、その翌朝に亡くなってしまいました。
脳出血だったので、本当に急な出来事でした。
素敵な夢から醒めて、それが現実ではないという事に気づいて泣きたくなるように、
ふとしたことから、母がもうこの世にいないという現実を突きつけられて、動揺した一年でした。
母は福島の田舎の出身で、父は長野市の出身。
本来ならば母は父の家のお墓に入ることになるのですが、
母は東京の家のある土地が大好きで、遺言ノートに、愛猫と一緒に近くで樹木葬をしてほしいと書いてあったので、
実家近くで樹木葬ができるお寺をいくつか見て、家から徒歩15分くらいのところに決めました。
今春に完成した別のお墓を見てから最終的に決めたので、納骨が遅くなってしまいましたが、
一周忌の法要のタイミングでやっと母をお墓に入れてあげる事ができました。
樹木葬のシステムは様々なようですが、母のお墓は最大8人まで入れるそうです。
年会費を払っている間はお墓の中に入っていて、年会費が途絶えて数年経つと、お墓から出て桜の樹の下に埋めてもらえるそうです。
(すぐに樹の下に埋めてもらうプラン、1人用、20年の期間限定など、お寺によって色々なプランがあるようです。)
母は猫と二人でお墓に入ることを想定していたと思いますが、
お墓の事まで考えていた母とは対象的に、父は、「死後は何でも良いので子供達の都合良いように」という考えなので、
父も(そして弟二人も、多分私も)このお墓に入ることになりました。
母の希望通り、猫ちゃんと一緒に樹木葬で骨を埋めてあげることができて、これでやっと私たち兄弟の肩の荷がおりました。
実家は大きな大学がある学生街ですが、歴史あるお寺や神社、公園も多くて、母はこのエリアを愛していました。
私は東京にあまり思い入れはないと思っていたけど、世界各地を転々とするようになると、この土地の良さもしっかり見えるようになってきて、
故郷に対する想いのようなものもだんだん強くなってきました。
素晴らしい土地もたくさん見てきたけれど、私の心が本当にくつろげるのはやっぱり地元。
この先、「この土地で骨を埋めたい」と思える土地に出合える気が全くしないのです。
なので、この先どこへ行ってどこで死んでも、私も母のお墓に一緒に入れてもらおうと思っています。
そう思うことで、私の心も落ち着くのです。
2泊3日の弾丸東京でしたが、家族と、娘の東京の親友にも会えたし、近所の高校時代の友達にも会えて、とても良い時間を過ごすことができました。
活発でエネルギーの塊のようだった母は、病気と怪我をして、最後の数年は痛みや感覚異常で元気がなくてかわいそうでしたが、
今は苦しみから解放されて、自分の愛する土地で猫と一緒に静かに眠っているのだと思うと、悲しみも和らぎます。
私の心は帰る場所が決まったけれど、娘にとって故郷はどこになるのだろう。
どこが故郷になっても良いように、今いるその場所での生活を大切にしたいです。