ジャパン対アイルランドレビュー防御編。
アイルランドは防御ではロングパスでプレッシャーをかけボールを奪い返して一気にトライを奪う「カウンターラグビー」。
攻撃はハイパントを軸にテリトリーとポゼッションを奪い、敵陣深くではフォワードでゲインして防御を集めてバックスで展開してトライを狙う。
それに対してジャパンは、いつものようにキックをうまく使ったラグビーではなく、自陣からでもボールをパスで動かす「ポゼッションラグビー」でこの日はアイルランドに挑む。
前半早々にアイルランドは敵陣深くで意図通りにフォワードでジャパン防御を集めて(グルーピング)、外側にスペースを作り出し、キックパスでトライ。
一番外側にいた山中選手も内側に寄せられているので内から外にボールを追いかけるので、キックパスの起動が見えず、アイルランドの良い判断でのトライであった。
ただ、ジャパンの防御はよく機能していて、ダブルタックルで相手を押し返してブレイクダウンでプレッシャー。
ボールを奪い返せなくても相手のブレイクダウンリサイクルが遅れるので、防御のポジショニングには余裕が生まれ、防御側がどんどん有利になる。
ゲインされても、全員が素早く戻ってポジショニングするのでアイルランドにチャンスを作らせない。
最後は、ジャパンの「ラッシュアップDF」からプレッシャーを受け続けたアイルランドが不用意なロングパスを福岡選手がインターセプト。
アイルランドのやりたかった防御をジャパンが行って見事に守りきった。
また、モールも押されず、セットでもジャパンは見せてくれる。
前半、自陣深くのスクラムでのターンオーバー、後半、自陣深くのラインアウトでターンオーバーし、最後はフィールドアタックでも自陣深くで堀江選手が低くタックルに入ったまた、ボールキャリアーを下から抱えるような「タートルタックル」で相手を味方側に向けて、姫野選手がジャッカル。
以前、アイルランドがしていた非常に高度なタックルスキルを使ってターンオーバーをして、ジャパンは全てのゾーン(地域)とフィールド、セット、モールとアイルランドの攻撃の手を詰んだ。
アイルランドはジャパンの戦略により、チャンスは少なかったが、ハイパントを軸に攻撃される方がジャパンとしては脅威であった。
正スタンドオフの「セクストン」の欠場は、アイルランドの戦略的にも非常に痛かったと思われる。