七十九日目 | idiota

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フィクション・ブログ ただ今逃亡中です。


先日電話があった佐藤さんと会ってきました。



ひょっとしたら仕事をやめる前に、何かとんでもないミスをやらかしていたとか、色々と悪い事が頭の中を駆け回り、内心かなりドキドキでした。




少し早く約束の場所に着いてしまったので、待つこと数分。

心臓が喉から出るんじゃないかと思うほど緊張しながら待っていると、時間ピッタリに佐藤さんはやってきました。




開口一番、佐藤さんは「やぁ~久しぶり」と明るい口調で、さらに表情も眉間にシワがよっているなんてこともなかったので、少しホッとしました。



そして詳しく話を聞くと、別の意味で驚きました。




唐突に、
「ウチで一緒に仕事をしないか?」
と言うんです。




たぶんこの時の私は鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしてたと思います。

そんな私のために詳しく説明してくれました。


いわく、佐藤さんは以前から私を引き抜こうと考えていたそうです。


私がもう少し上の地位にいたらヘッドハントと言うのでしょうが、残念ながらヒラ社員だったのでそうはならなかったようです。


本当は前にあった時、つまり私が会社を辞めると決めた頃にはこの話をまとめたかったのだそうですが、何分私は入社以来ずっとヒラ社員だったもので………



まぁ、この辺りの事情で周囲を説得するのにてこずったそうです。




それならもっと早く、取りあえずこんな感じで考えてる……とか知らせてくれれば、職探しでこんなに悩んだり苦労したりしなかったのに~

と、緊張の糸が切れた私は思わずツッコミを入れてしまいました。




「事前に君に伝えて、説得が失敗したりでこの件が立ち消えになったら悪いから」

と佐藤さん。


この辺りは非常に律義な方なんです、佐藤さんは。

見るからに出来る人のオーラが漂ってます。



私としては、それでもいいから、ひょっとしたら……と、少しは教えておいて欲しかったです。




今日のところは説明だけで返事はよく考えてからと言われて別れたのですが、佐藤さんは私の憧れの人でもあるし、一緒に仕事がしたいと思っていた人なので、もう心は決まっています。



嬉しいです。こんな形で夢が叶うなんて……

思い返してまたドキドキしてきました。