中世、対馬から朝鮮半島に柑橘類が盛んに輸出されていました。

『海東諸国紀』や『李朝実録』には柑橘が対馬の特産品だった

ことや贈答品として喜ばれていたことが記されています。

 

 朝鮮半島の気候は冷涼で柑橘の栽培には適していません。(但し、

済州島は例外です)。そのため朝鮮半島に面した対馬西岸の集落では

皆が挙って柑橘を栽培し、小舟で海峡を渡り販売します。

銘ミカンや西津屋ミカンは当時のブランド柑橘でした。

 

 島には当時の柑橘、スイボウや銘ミカン、タチバナなどが庭の

片隅に残されています。これらは総じて酸っぱいので食べる人は

少なく放置された状態で利用する人はありませんでした。

 

 ところが大変です。対馬の柑橘類は急に脚光を浴びています。

ブレイク寸前で島の特産品に返り咲きそうな気配になっているのです。

そのキッカケを作ったのが市の図書館職員さんたち。よく本を

読んでます。

 

 知人から貰ったスイボウの種子を焼酎に2週間浸すとゼリー状に

ドロドロになるそうです。さらにワセリンを加えるとハンドクリームが

完成。しっとり感があり上等のクリームと好評です。そのうえ、

クリームを顔に塗ると10歳は若く見えたとか、見えないとか。

 

 対馬の在来種柑橘類については、県の果樹試験場が十数年前に

調査済で韓国の試験場と済州島の柑橘を共同調査する念の入れよう。

島に温存している秘密兵器のような存在です。

 

 それらは成分分析も実施されており、「機能性食品」への活用は

折り紙付き。対馬在来柑橘の果実特性は皮には「ヘスペリジン」を

多く含有、種子には「ペクチン」がたっぷりでござんす。

 

 対馬の柑橘は、住民が守り伝えてきた在来種で島外に同じものは

ありません。しかも果実は、皮、種子、果実と全て利用できる

優れモノです。天下無双といえます。??????

 

少し悪乗りしたようです。(ペコリ)

 

   柑橘の親子ではありません。念のため