飛翔 | 吉野恵悟 オフィシャルブログ 「お江戸をろろん滞在記」 Poewred by Ameba

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豊田真奈美さんの引退興行にレフェリーとして参加させて頂きました。

レジェンドの引退興行に出場するのは天龍さん以来2度目。

豊田さんはレスラー30周年。

私は人生30周年。


そんな私は豊田さんから

「ぼくちゃん」

と呼ばれていました。

初めてお会いしたのがデビュー間もない頃だったでしょうから10年前ぐらいですか。

大阪プロレスにゲスト参戦させて頂いたり、チカラプロ遠征でアメリカに行った時に一緒になったり。

チーム大阪Tシャツ作って持って行って売ってる横で豊田さんの飛翔天女Tシャツに長蛇の列が出来てて、気づけばそっちを通訳兼任で手伝ってたなぁ。

夜な夜な菊さんと試合終わってからカジノ行くべーって行ってたら

「わたしもいきたーい!」

って僕らのアホなスケジュール

試合
メシ
カジノ(朝まで)
買い物
メシ
試合
カジノ

みたいなのにお付き合い頂いたり。

東京に出て来てからは女子団体の仕事が増えてさらに交流する機会が増えて、いつも気さくに話して下さる豊田さん。

伝説に残る女子プロレスのスーパースターなのに、あまりにフレンドリーなのですごく身近な存在に感じてしまうレジェンド。

そんな豊田さんの引退興行で、改めて本当に凄い方と仕事させて頂いたんだと実感しました。

控え室には初めてお会いするレジェンドがズラリ…

画面の中でしか見た事ない人だらけで。


客席は超満員。

その中でご本人の希望での50人掛け。

あんなに肩が痛い、首が痛いと仰ってた故の引退なのにその最後になんて無茶な事するんだと。

1試合1分だとナメて感じる人がいたら腹立つので言わせてもらいたい。

ご本人は50試、次々と入って来る体力100%のレスラーと対峙し続ける。

その度に技を受け、ご本人の得意技も出す。

あの華麗なミサイルキックだって、打ってる本人もダメージが少なくない。

それでも徹底的に後ろ受け身式のミサイルキックを打ち続けられた。

自分の裁いた男子ブロック、その時点で半分ぐらいだっけどもう日高さんの入場時点でもうボロボロでした。

あの時

あ、裁く以前にとにかく最後まで完走してもらえるようサポートすることが最優先だわ。

って今までのレフェリングで思った事のない思いが。

とか思ってたらがばいじいさんは杖で突き落として買っちゃったり、イサミさんは奇襲仕掛けてトペいったり、伊東さんに関しては有刺鉄線ボード持ってきちゃうし。

有刺鉄線ボードが見えて、使わせるべきかどうか迷ったけど…

これも伊東さんなりのメッセージだと思うし、そこは回避するのもなぁと思って入場中に豊田さんに聞いた。

「あれ…大丈夫ですか?」

ここで豊田さんから否定的な部分が1ミリでも感じられたら使わせないで進めようと思った。

けど。

「あたしねーあーいうデスマッチはじめてなの!」

この人やる気や。

いや、そりゃそうやわな。

誰だと思ってんや。

というわけで認めました。

結果、有刺鉄線ボードの餌食になり…

そこから剥がすのも大変でした。

この時点で約半分。

有刺鉄線関係なく、受け身の取りすぎでなのか肘の皮はめくれてるし更にボロボロな状態。


興行時間4時間のうち、約3時間半は試合としてリングに立ち続けてらっしゃった。

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それでも最後の1試合まで、華麗にリングに上がられる。

そして無事戦い終えられ、断髪。

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小児がんや脱毛症で悩む方に、ウィッグを作るために髪を寄付するヘアドネーション。

31cm以上あれば寄贈できるようです。

豊田さんの希望で、リング上でトレードマークの黒髪に鋏が入りました。

なんかね…

泣いちゃったね。

そして、10カウント。

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最後の最後まで美して、強くて、カッコいいプロレスラーでした。

この大会に参加できた事、そして豊田真奈美という偉大なプロレスラーと一緒にお仕事をさせていただけた事を本当に光栄に、誇りに思います。

30年間本当にお疲れ様でした。
とにかくゆっくり休んで下さい。

そして元気になられたら、ツーリングにでも行きましょう!

試合後に挨拶に行った際にも言った。

そしたら

「うん!行こう行こう!ぼくちゃん誘ってね!」

って、最後まで私はぼくちゃんでした。

多分今後もぼくちゃんやな(笑)