レフェリーもそう。
番組のMCさせてもらうときもそう。
俺たちは物を売ってるわけじゃないから、お客様のチケット代であったり放送の視聴料金であったりの何倍もの価値を自分のパフォーマンスで提供せねばプロ失格なのである。
で、自分の道の頂点にいらっしゃるこの方
レフェリーって「できる」からやるってもんじゃないんだよと。
フォールしたらカウントして、締め技やら関節入ったらギブアップかどうか聞く。
ぶっちゃけこれが出来れば
「レフェリーできる人」
となり、気付けば誰でもレフェリーって肩書きがついちゃう昨今。
自分もよく1日に全5〜6試合を裁くことはあるが、それを多くの人は
「タフですね!凄いですね!」
って良い方向で認められ、自分自身もそれを自信にしてる部分がある中で
「おめぇはよくやるよなぁ。そんな1人で全部やるもんじゃねぇんだよ。一試合に対する集中力が散漫になるだろ?」
と言ってくださるお師匠。
実際ダブルヘッダーで試合数いっぱいな時に、選手が怪我した事に気づくのがすこし遅れた事があった。
そんな大した怪我では無かったし無事やったけど、それでよかったねって済ます程安い仕事は私はしとりませんで。
相撲の結びの一番は木村庄之助や式守伊之助が裁くように、かつての王道プロレスの頃はメインだけジョーさん。四天王プロレスの頃はメインだけ京平さんだったという。
その理由が全て。
メインイベントを観に来ている人が大多数。
ましてテレビでゴールデンタイム放送されていて、メインだけの放送となればその試合に対する注目度は限りなく高い訳で100%の仕事が出来て当たり前。
吉田沙保里さんが金を取るような状況に近いものがあったはず。
でも今は地上波ではやらないし、映像にも残らない。
まして観客100人とかが当たり前で、そんなプレッシャーからかけ離れている時代。
だから甘えに甘えが重なって、今の風潮になっていったと思う。
レフェリーいないし呼ぶとギャラ高いから誰か出来ない?
そんな事が言えてしまう時点でプロレス界に明るい未来は無いと思う。
そして選手がやりたい事を第一にやらせておけば選手には「良かったよ」って褒められるからそれで良いと思ってしまう。
ルールに忠実な事を指摘すれば選手から面倒くさいと言われ、呼ばれなくなるかもしれなくなる。
そりゃそうだ。レフェリーのプロには何も教わってなから何が正しくて何が間違いなのかわからないんやもん。
自分自身がそうやった。
テッドさんがまだまだ俺が若手の間に亡くなり、教えて貰う人が身近に居なくなり、自分のレフェリングを模索しながらもなんとなく選手に合わせる部分が出てきてしまう。
すると段々試合が面白くなくなるんです。
これホンマに。
で、そんな感じで東京に出て来ての京平さんとの同じ現場。
めっちゃ怖いけど、意を決して話しかけてみる。
すると…
これ、長くなるから続く。。。