∞心機一転まさるの日記∞ -20ページ目

∞心機一転まさるの日記∞

規律の厳しい役所を退職し自然豊かな山間の温泉町に道場を造りスタートしました。しかし元職からメールが一通!堅い仕事の師範役に逆戻り!

 「只今の所の情報として、確認の取れた部分を紹介しましたが、各役所の皆様は把握し切れていないでしょうから、私たちの持って居る範囲ならお答えできますから、ご質問を頂きたいです」と鈴木審議官が発言する。

各省庁も本気度を増し、 法〇省の管轄の出入国管理官大久保さんが

「出国審査は、入国時の審査書類と「在留カード」の提出が原則ですが、X氏のパスポートの写しか何か提出して頂けないですか?」

「はい分かりました、急な会議で資料が揃って居ませんので、後程お渡しします」

 

「まだ犯罪者じゃなく、不審な行方不明者なので個人情報の拡散が難しく、添付できなかったのですが~」と鈴木審議官が微妙な事案を示唆する。

 

「そうですね、出入の書類が虚実なのは想像できるが、確認が取れるまで待ってください」と次長が謝る。


「このXなる人物は、入国後に職場の同僚及び関係者との交流が皆無で、研究室で黙々と実験の日々だったようです。外国人で日本語が話せず生活スタイルを見せず、マンションは本国の領事館がキープして2か月ごとに前払いで振り込まれて居たようです、後で外務省を通じて紹介、問い合わせをしますが、何が危ないかと言うと培養したウイルスの行方が見えず、出国手続きがノーマルじゃないので早く確保して真意を確認することです」と鈴木さんに渡す。

 

「只今次長からのご指摘のように正体が把握できていないのですが、私たちが昨日情報を受け、PCのSSDの解読に取り掛 り外国語の専門用語を判読しながら【ウイルスの培養設備の性能を分析し、信濃町の病院がNIIDに次ぐ機能を保持した研究所として特定・潜入、勝手に培養して姿を消したのです】この先の捜査は、ファイルとEメールの送信先・受信内容の分析に掛かった所です。この会議はSSDの解読終了とX氏の足取りが見えるまで、15時に連絡会議を開きたいと思います。

ある程度方向性が見えたら、電話かメールの情報の共有を図りたいと思いますが、ご意見がありましたらお願いします」と見回す。

 

法〇省の大久保さんから

「足取りの追跡に、実働部隊に一名で宜しいですか?」と積極的に聞いて来た。

「はいそうですね、毎回問合せるのも相互に煩わしいので、暫くここにチーム本部としましたので、アドバイザーでお願いします」

 

「〇労省としてはNIIDから分析班に参加して居ますが、足跡が見つかるまで一人付けますかね」

「そうですね、足跡だけでなく細菌の使用目的や被害の分析も絡むかもしれないので、目途が付くまでお願いします」

 

「パスポートの重複取得の部分が見えて居ませんが、パスポート・ビザが外務省で入国審査・在留カードは法務省の出入国管理庁の扱いですが、裏付けが見えるまで連絡会議には、お一方お願いします、それでは各省庁のこの事案の担当者・電話番号・メールアドレスをこの紙に記入してください。代表番号ではなくダイレクトに通じるスマホでも良いですアドレスもそうですが、開示しても問題ないモノを記入してください」

 縦割りを無視した対策会議は医療関係でも話がまとまらず、分科会義が3つも立って居た。メデアにシッポを踏まれたら、細菌拡散でパンデミックの前兆対策云々で責められそうだ、既に当人の足跡が東南アジアに残っている事態を、如何に探求するか?

佐々木次長は自室に戻り、受信メモをめくって○○官房に電話をする。

「この事案は一筋のテーマじゃなくて、複雑な複合体で一人や二人の脳みそじゃ解決しないですね」と○○官房に投げかける。

「うちのオヤジは、(前代未聞の珍事件になるよ、前から〇労省に言ってるが”簡単には近づけないよ„と本気じゃ無かったよ、あそこは甘い)と予感して居たよ」と言う。

 

 〇〇省関連の国立〇〇〇研究所・〇務省入出管理庁・〇務省の税関関係・〇務省のビザやパスポート関連に精通した人材が必要だ、そのためには当方の所持している情報の開示と今日中に集合出来るかが勝負だ。

 

次長直轄の配下を5名程ピックアップして、関連機関に当たらしている。

先ほどのメンバーは実働部隊で、後2~3名を違う役所から組み込み、国内と海外の追跡も想定しながら、中間報告を長官に居れた。

 

 夕方の連絡で、病院の細菌研究科の解読班は、細菌は複数借りたが独自に持ち込んだ危険なウイルスを、研究所の設備を操作して増殖した可能性がSSDに残って居た。

変異増殖したしたウイルスを、特殊な容器に閉じ込めて持ち去ったが、 海外の拠点にメールに、英数字の暗号文があって軍関係で通信するテクニックで、伝達したようだ。

次長は鈴木審議官に指示し、病院の研究所の細菌科に声を掛け、内容を熟知しているメンバーをこの検討会議に合流することを要請した。

 病院内でPCのデーター解析班は全体量の半分も進まず、解読班をそのままをM&SSのビルに移動して、病院から分離して進めることにした。

病院も事の重大さに気付き、積極的に参加して呉れたので、熟知した研究所の所長で細菌学の博士が解読班に付き添い、アドバイスしているようだ。

パソコンの保存ファイルが外国語で、ドイツ語やポルトガル語の他にハングル語も使われているので、目的やターゲットが絞れ切れない様だ。 

 

本庁の対策会議も、各省庁から参集ると目立つので、M&SSのビルに対策会議の拠点を移し内外の耳目を外す作戦で、出入は地下駐車場から入室することを厳命した。

 

 ハングル語のメールがIPアドレスから追跡すると、都内の某所と通信しているので、本庁の出入も監視下に入って居る様な気配を感じる。

初日の深夜検討会議の出席者は、密かにM&SSビルに集結、駐車場に常時待機して居たM&SSの作業車は本庁の下に移動して、省庁の黒塗りの車が入れ替わった。

 

 日付が変わるころ開会した会議は、例外で長官が挨拶、次長が概略を説明、審議官が司会の役で進行し、2時間ほどかかった。

主に解読班の病院のウイルス・細菌科の係長が、パソコンのファイルが広範囲な言語で保存され、その解明を外国語に名護〇視と柳原〇部と二人で説明する。

 ①当初研究資料として、国立〇〇〇研究所から借りた細菌・ウイルス類は5種類で。毒性が低いものだった。それは借りた当時と同じ容器に分量も変わらず、保存されている。

②むしろ、懸念される問題は行方不明のX(暫定的にXとして呼称する)が入国の際持ち込んだウイルスがが危険物の可能性がある。

 ③Xが入国前に、都内のアジアの国の関連機関と送受信した内容が、国内では御法度とも言える官庁・大学・病院・自衛隊の研究所の研究能力を分析し、留学研修先を決めた。

④病院の研究所の細菌培養施設の、細菌やウイルスの培養施設と所員の資質もメールで送受信し、ヨーロッパの大学や病院の勤務履歴をチェックし絞って、釣られたようだ。

⑤Xは思想的に偏りが無いが意思は弱く、研究能力は上位だが上司には逆らわず、指示通りの仕事を熟すが、たまに同僚に不満を言っていた様で、手ごろな人材だった。

 ⑥まだ全容が見えないのだが、Xの賃貸マンションに生活感が薄く他にアジトが有るか、警視庁の所轄に依頼して探索している。

⑦国立〇〇〇研究所から借りたウイルスはカムフラージュで、Xが持ち込んだウイルスの培養が目的なら、2年近い時間を掛けるのは、その裏に可なり大きな企てが有るのではないか?と、柳原早苗〇部が解読した感想を話す。

⑥まだ全容が見えないのだが、Xの賃貸マンションに生活感が薄く他にアジトが有るか、警視庁の所轄に依頼して探索している。

⑦国立〇〇〇研究所から借りたウイルスはカムフラージュで、Xが持ち込んだウイルスの培養が目的なら、2年近い時間を掛けるのは、その裏に可なり大きな企てが有るのではないか?と、柳原早苗警部は、解読した感想を話す

 ⑧只今ファイルの解読で時間を費やして居ますが、Xの足跡をナゾッテいては後手になります、せめて並びかける糸口として、香港に飛んだXを国際手配に近い形で追うことが大事かと考えます。

金髪のスーザンが、警察官僚として発言したのをマイケルが初めて聞いたが、中々堂々としていて頼もしいと感じた。

周りの省庁のキャリヤは「あの人は誰だ?」見たいな好奇な目でザワツキ気味だ。

「名護〇視、具体的に情報をどこまで拡散出来るかが問題だが、インターポールに犯罪者として通報する場合、ネタが薄いように感じるが?」と外〇省の分析官杉原さんが質問。

 「入国審査の写しが、出入国管理所に保存されていると思いますので、チェックを掛けている所です、それとパスポートを複数所持している様なので、二年前の入国と今回出国した西日本の空港に派遣したメンバーが、拾って呉れれば道が付くかと思います」とスーザン。

「はいっ今日の午後に情報を頂いて、格出先に顔写真とプロフィールのコピーを添付手配し、西日本から足跡に追いつきました、時間差は36時間ほどになります」〇務省の大久保管理官がホローする。
「それは早いですね、僕が此れから指示するには、時間的に遅れたかな?と思って居ました、有難う、私も追跡チームで行きますが宜しく」と杉原さんが派遣されるらしい。


地球が誕生した頃の海洋は、泳げるほど穏やかでは無かった
ムキー

本気モードに

病院の守衛で、名乗り庶務課に連絡を依頼する。

衛視のチーフが外に出て、先導するように歩き出す。

 「皆さんが警察関係の方には見えないので、案内が必要ないのですが制服の方の場合は、建物の裏から入って貰いなさいと言われて居ますが~」と恐縮する。

 病院の診療関係とは完全に分離するように厳命されていて、患者の入り口から離れた入り口に庶務課長と研究所の所長が待っていた。

庶務課の課長が先崎忠司でウイルス細菌研究所の所長は前田頼子と名乗る。
鈴木〇視正が名刺を出し、マイケルが名刺を出したが
「こちらの型は大使館の方ですか?」と聞きながら名刺を見ている。
鈴木さんが「うちの現役の〇部です」と言いながら自分も名刺を差し出し、マイケルの顔を見る。

「名護マイケルと言います」とマイケルも改めて「名護マイケルと言います」と会釈する。

 

発覚当時の立会者(庶務係長)は、大学から呼ばれて不在だ。

、鈴木警視正と金髪の名護警部で、取り合わせが異様に見えたのか「いやうちの職員で、現役の〇部です」と言いながら自分も名刺を差し出し、マイケルの顔を見る。「名護マイケルと言います」とマイケルも名刺を出しながら自己紹介で挨拶する。庶務課の課長が先崎忠司でウイルス細菌研究所の所長は前田頼子と名乗り名刺交換を終わる。<br type="_moz">行方不明の発覚当時の立会者(庶務係長)は、大学から呼ばれて不在。 「後で研究所を見て頂きますが、概略を2階の会議室でご説明します」と歩き出す。病院だが、直接治療の当たらないので病院独特の、薬品の匂いがせず静かな会議室で、行方が分からない医師のプロフィールや、医師免許などのコピーが提示された。 

行方が分からない医師のプロフィールや、医師免許などのコピーが提示された 、鈴木さんが出がけに、次長室で渡された資料と同じだ。

但、今日の午前中に届けられたPCの解析は途中だが、セキュリティー会社も医療や細菌関係が専門では無いので、内容不明分析不能で庶務課に返却して来た。

 

データーベースに用語や外国文字の羅列で、セキュリティーソフトでは対応出来ない分野なで、病院サイドの担当の意見等を聴きながら、機械的な部分をアドバイスし、学術的な分析には立ち入りたくない様子だった。

中身が、フランス語とドイツ語・一部英語で記されているので、高度な言語力と医科学的の知識が多分に必要で、大学の協力で病院(ウイルス・細菌科)とセキュリティー会社の三者で取り掛かり、科学警察の細菌系の担当の参加を希望して居た。

 

打ち合わせ中でも、リアルタイムで次長に情報を入れ、決済を仰ぎ科警から細菌系の専門官を1名参加させることを決めた。

 
<0>病院の研究所は開店休業状態なので、その建物の続きにある会議室を拠点に解読しながら、研究所の資料などで裏付けをチェックするシステムで進んで居た。&lt;br type="_moz"&gt;

庶務課長が初対面で【大使館の方ですか?】と聞かれた事が引っ掛かり鈴木審議官が

「先ほど先崎さんが【大使館云々】と問われましたが何か関連がありますか?」と聞くと、先崎さんが頭を掻き乍ら

 

「午前中にPCの解読を開始し、目に付いたのがドイツ語とフランス語で【アメリカの水道とサイパンの水道関係】の文言が多くあると言うので、前田所長にも話しましたが、アメリカ大使館からお出でなったのかな?と考えて仕舞いました」と真面目な顔で応えた。 鈴木審議官は即座に次長にスマホで伝え、即座に解読チームに語学に堪能な警部を合流させることが決まり、病院に送り病院の指揮下に配置することが決る。&lt;br type="_moz"&gt;

鈴木審議官は即座に次長にスマホで伝え解読チームに語学に堪能な警部を合流させることを要請、病院に送り病院の指揮下に配置することが決る。

 

マイケルは鈴木さんと一緒に本庁の対応を決める会議に参加する。

警察関係者は通常制服は着用しないが、病院敷地内での業務なので構内では白衣を着用し、新たな情報はリアルタイムで本庁に流れる仕組みを設定する。

この解読チームとは別に、海外に派遣するチームも必要で東南アジアの足跡を追うことが重要になった。

M&SSの神田敬一〇視をリーダーに、選抜メンバーを選定招集を掛ける、マイケルも急遽M&SSに移動となり、海外派遣チームに指名された。

>鈴木審議官も、本庁内で統括指揮を執ることになり、助手に名護スーザン〇視が指名され、主に国内の指揮はスーザンが執ることになる。

 

何を目的に、外国の水道関係なのか理解できないが、その日の夕方本庁で今後の対応を検討に入ったが、各自にポジション確認をしながら、会議が始まった。

 

冒頭だけ次長が挨拶に来たが、席に着くなりスマホが鳴り
「ちょっと失礼」とみんなに断り

「な~にぃ」と大きな声を出す。

日頃会議室は大きな声を出さず、礼節を重んじると言いながら、自分で大声を出している。

派遣して居た解読チームの〇部からで

「何でそんなモノ借りたんだよ」と云う、みんなも興味津々で聞き耳を立てている。

「分かった!でもなんで俺のスマホを知って居るんだ」と聞いている。

 

次長のスマホは通常は掛けないが、鈴木審議官のスマホが使用中になって居るので、直属の上司に聞いて次長に直で連絡したようだ。

「分かった、今後も今くらいのショッキングな事案は連絡してください」と丁寧に切る

「鈴木審議官のスマホ故障中か?」と鈴木さんの顔を見る。

「え~と私のスマホは~」と取り出すとイヤーホーンが差し込まれていた。

「あれっバイブがオフでした、大変失礼しました」と立ち上がって頭を下げる。

 「はいそれで一件落着、じゃないんだよ今情報は、PCの解読チームが新たな事案に遭遇した、それは病院のウイルス細菌科で新宿の国立〇〇〇研究所(NIID)から「持ち出し厳重注意」の細菌を借り受けていたが、現在所在不明の様だ」

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借り物はNIIDから門外不出の微小なウイルスだった

「それが今回の騒動の発端ですかね」と鈴木審議官が顔を曇らせる。

「そうらしい1年くらい前に、研究所の所長の依頼書で借り受けたが、それを借りて呉れと言ったのが今回の行方不明の当人らしいのだ」

「細菌って、眼に見えないほどの小さいものでしょうが、そんなに簡単に貸借出来るんですか?」

「そこが今回のポイントらしいよ、日ごろ厳重な管理体制で実績が伴わないと、門外不出の危険物は貸さないらしいが、今までお互いに研究過程で貸借が有るらしいんだ、国内でも有数の権威ある研究所だ、あそこは」と次長が腕組みをした。

 

次長が腕組みをしたときは、【考え中】なので質問などしない方が良い.

 

マイケルが姉の顔を見る、緊張なのか顔が暗い様だ、10日くらい前に川渡へ両親と旅行した時はもっと明るい顔だったが、一緒に仕事をするのは初めてだから心配だ。

 

今度は鈴木審議官がスマホを取り出し

「ちょっと失礼します」と立ち上がり会議室のキッチンコーナーに行きながら

「分かりました、次長に話しこの会議を休会して時間を置いて参集します」鈴木さんが戻って
「次長、○○官房から電話がありまして、この会議を休会にして継続の形して欲しいと言って居ます」

 

「うん 分かった、ちょっと考えて居たんだが、我が会社だけじゃ通じない部分が多いので、他の部局と云うか省庁を跨いだゼネラルチームのような形にしないと難しい気がして来たヨ」と次長の腕組みも「考え中」で中身は同じ方向の様だ。

川渡の道場は連休中も休みなく開くことにして、4種の武道指導者にも了解をとった。
ただ まさるの道場助手マイケルに、特別な事案で招集が掛かった。


総合病院の研究所で外国人の研究者が行方不明になり、他の省から内密に捜索して欲しいと要請が来た。
通常は所轄扱いで処理するが、国外の捜査も想定され機密扱いの事案らしい。

  M&SSが規模を縮小して、国内の事案だけに絞って営業して居るが、国内の病院から外国人の医師が行方不明になって、所在不明の情報が有った。

 

病院サイドが情報を出さないのも問題だが、○○省に非公式で持ち出されたモノが薬物以上の物体で公表できないようだ。

大学病院で体内の常在菌の研究で、病院と言うより大学とリンクした研究所らしい。

直接、患者の治療等には影響がないが、外国人が一人行方が分からないことは重大な事案だ。

 

病院の庶務課が、マンション管理会社に連絡マスターキーで立ち入ると、2年近く勤務しながら生活感が薄く、ウイクリ―マンションの様な殺風景な部屋で、当初は病気か怪我で連絡が来ないのかと、親心で部屋に行ったが部屋の中には書籍や手紙類など、医師を特定できるもの無いので、庶務課の担当者は不審を感じ従事していたバクテリア細菌科に通報した。

 

科長は研究室にゆき、同僚に聞き出して初めて知った。ヨーロッパの小国の医師でその方面の専門家らしく研究室の閉じこもり、顕微鏡や無菌室で何やらビーカーや試験管で試薬の様な液体などを培養している様だった。

 

2~3か月に一回フランス語とドイツ語などで書いたレポートで、研究テーマの進捗を提出して居た、レポートには麗々しくフランス語が並んでいるが、与えたテーマでもないので深く分析もせずファイリングされていた。

 

国費で留学して居る訳でもないので、役所に申告することも無いので、病院でもお客さん扱いで無口で静かな研究員だった。

プロフィールをチェックすると、医師資格はヨーロッパの名のある大学と大学院を収め、医師免許もその延長で取得、系列の病院で研修医を終了、ベルギーやブルッセルの病院勤務の経歴が残っていると言うか、提出書類に記入し添付の免許や在校証明のコピーが貼ってある。

この大学病院は、ヨーロッパの大学と友好関係にあり、大学サイドの推薦で「常在菌の研究」をテーマにしていると言うので、部局の教授に紹介し病院としては、研修医扱いで俸給は支給出来ない形だ。
資金繰りは良いのか部屋代は2か月ごとに、2か月分を振り込むので、マンションの管理会社も問題が無かった。

 

 行方不明になって4日目にマンションをチェックし、その日の内に医師免状等も怪しい部分があるので、浮き上がった事案だ。

当日は、研究所の内部調査で遅くまで追跡したが、書いていたはずのノート類は無く、PCはHDDを抜き取り本人の所在を消すためにやった形跡が有った。

警察には連絡して居ないが省から○○庁の上部に降りて来た内容で、被害届も、捜索依頼も出て居ないので表立って動く役所は無いが、本庁から〇務省管轄の入管に顔写真と入国ビザの写しで問い合わせた。

 

パスポートの写真と、人相が合致する男がヒットした、パスポートは香港政庁発行で3日前に福岡から香港行きに搭乗した形跡が残って居た。

複数のパスポートを所持し、自国(ヨーロッパ)ではなく東南アジアに渡航したようだ。

病院の研究室に残って居たPCのHDDを取り外して持ち去ったが【SSDに気付かずHDDだけを持って逃げたようだ】との頓馬な情報が入って居た。

 

 複数のパスポートを使い分けている割には、デスク管理に疎いのかSSDにはE-mailやドキュメントのフォルダなどそっくり残っていた様だ、その中身は、国家的な重大事案であることが判明する。

パスポートの重複保持は犯罪で、怪しいので佐々木次長はM&SSに出張らせようと考えたが、野村警視を地方に送ったので今の体制は海外迄手を出せないことに気付いた。

取り敢えず鈴木奈緒子〇視正を〇〇省の窓口に問い合わせ、病院の研究所に事情を聴いて来ることを命じた。

誰か気心の知れた人間を付けようと考えたが、傍に居る桜井警部補じゃ頼りない様な気がして
「武道場のマイケルに問い合わせて、時間が取れるなら合流して、二人で行って呉れ」と随分勝手な命令だが、鈴木さんはイツモの事なので

「分かりました、都合が付かない場合姉のスーザンを連れて行きます」とこっちも勝手に決めてしまった。

 

「あぁその手もあったか、よしっ頼む。あっその時名刺を出して、極秘の訪問であることを知らせ、拡散禁止も伝えて置いてくれ」と切る。

 

「何でヨ~」見たいな命令だが、重い感じがして直ぐマイケルの携帯に電話し、案の定、道場だったがので半日時間を取れるか?と聞くと

「明日、柏木師範のレクチャーなので、道場でチェックして居ました。大体終わったのでデスクに戻る所です」マイケルはびっくりした。

「じゃ~5分位したら相良課長と柏木道場長に電話して置くから、出かける用意して約2時間後に信濃町駅の前で待って居るから、分かった?」

 

「はいっ分かりました、お待ちします」
M&SSに願望を持っていたが、新入社員が希望の職場を選ぶことは出来ない。
自分の思いが通じた様だ(^^♪

 

あの時、ケントはブラウンさんの胸の内を読んで居たのか、2年ほどしてそれが現実になり「除隊して日本で暮らす決意をしたよ」と気軽に伝えた。

ケントはその時電話では何も言わず、一週間くらいして沖縄に飛んで来た。

 

沖縄に造った支店の事務所は社員も10名近く勤務して居るが、突然の来沖でブラウンさんも驚いた。

 

 ケントの会社は、日本以外の諸外国に5か所の支店があり、手が回らずブラウンさんの意向も聞かず本国を出る前に、譲渡の書類を用意しブラウンさんに日本国内の取引一切を任せる気で、顧問弁護士と二人で乗り込んできた。


最初は、日本の支店長を請けて呉れと言って居たが、サインする段階で書類を見ると全てブラウン社長となっており、『譲渡』(give)と書いてあり、『任命』(appointment)は一言も書いて居なかった。

 

ケントは、経済的負担を一切掛けずに会社を継続運営するため、日本の支店長を任せて居たアメリカ人にブラウンさんが軌道に乗るまで、サポートする代わりに、彼の希望を受けていた。

支店長(サム・ヘンダ―スン)はケントと同じ職場だったが日本女性と結婚し、除隊してケントの会社に就職、電子機器に強い彼は丁度45歳で(50歳で退職して、日本人の奥さんと子供たちと静岡に住みたいので、5年間でメジャー・ゼネラルをゼネラルにします)とブラウンさんが社長になる事了承し、研修係を引き受けたようだ。
サムは、ブラウンと同じ思考で日本が好きで、奥さんは"結婚はするがアメリカで暮らすなら、結婚はしない"と宣言して居たので、約束を守る気構えだ。

ケントは約束は5年だが、3年目に静岡の富士山が見える海の傍に200坪の土地に和洋折衷の住宅をプレゼントしていた。

これには、ケントは条件を付けたくないが、ブラウンの永久顧問の資格を受けて呉れと頼み込み、住宅や日本在住中の経費をケントの本社で持つことを書類にして居た。

 

それだけブラウンとの信頼を大事に考え、人格に惚れ込んでいた様だ。

サムが1年に3回くらいブラウン商会に顔を出して、遊んで行き啓子さんとは業務の遂行を丁寧に聞いている様だ。

ブラウンさんは、ケントが糸を引いているのを承知して居るが、深く関わらず沖縄や福岡などでゴルフやスキューバなどを付き合う。

ブラウンさんが知らないが、サムは実務を研修中も誠実で【企業は利益が無ければ消えて仕舞う】ので、その辺はブラウンさんより啓子さんにノウハウを伝授したようだ。

そんな経過でブラウンさんは通常の社員より短期間に実務を習得、何を聞かれても即答できるようになって居た。

 

そこには、啓子さんのパワーと語学(英・仏・独)と、父親の人格が影響し県内は云うに及ばず九州全域での信望が厚く、有効に作用して居る。

会社の業務で出かける場合は、必ず夫婦で行動することを原則としているが、県内でも他府県でも、ブラウンは商品や機器の設定などの説明をして、続いて啓子さんがスケジュールとか納入時期、見積もりを設定する。

 

外国人のブラウンさんが、丁寧な日本語で質問にも的確に応え、啓子さんが外国製品なので英語やドイツ語なども正確に訳して伝える。

時には、父親の空手の話なども聞かれるが、道場で育っているので空手にも薫陶しており卒なく話が通じる。

 

  社長夫妻が不在でも、業務はスムーズに遂行して居る。日に一回位電話が入るが、いつも話は丁寧に聞いているが「OK」の一言で、特に指示はしない様だ。

今は、サムの後任として沖縄出身の30代の男性社員を育成中で、啓子さんの従弟で東京の外資系の貿易会社に12年勤務し、田舎に戻りたい意向を聞いてサムが直々に面接してリクルートした人材だった。

サムが友人のマイクに【静岡に家が建ったことを知らして引っ越ししたら遊びに来い】と誘った電話から「いつ頃だ後任は決まったのか?」とマイクに聞かれ「誰でも良い訳ではなく難しいよ」と言うと、
「それでは僕が決めてやるよ、うちのKくんが沖縄に帰りたいらしいんだ、放したくない人材だが(里心が付いて)いい所を探して居たんだ」と言う情報だった

 

サムは私的なことなので中身は言わず、自分が面接して決めようと、ブラウンに上京したいと言った。
ブラウンは業務外と考え、深く聞かずに許可した。

ブラウンにはには口を出せるスキルも無かったので、サムが戻って社員採用の面接だったことを知り驚いた。

履歴書を見せられた啓子さんも飛び上がる程驚き、健一君が沖縄に帰りたい希望が有ることを知り、ブラウンさんに従弟の話を聴かせる。

 

健一くんも、親戚の啓子さんが会社の副社長をやって居ることは知らず、サムと面接していた様だ、サムも名護健一君が啓子さんの従弟とは知る訳もなく偶然が重なっただけの話だ。東京のその会社は、主に機械類の貿易会社で、取引はアメリカが多く業務にも会社にも不満が無いが、沖縄に戻りたい願望が強く成った様だ。

ブラウン商会が有ることも知る由もなく、漠然と九州地方に戻りたい気持ち様だ。「名護健一さんですか?私沖縄のブラウン商会の名護啓子と申します」と採用電話を啓子さんに任せたサムは、傍らでニヤニヤしながら聞いている。

 

「えっ名護啓子さんって、叔母さんですか?」と声がひっくり返った声で返事し、啓子さんはサムに受話器を渡し、サムが偶然の話を英語と日本語で話し採用を伝えた。

 

また啓子さんに代わり
「健ちゃんは東京の貿易商社に勤めて居ることは知って居たが、本当に戻りたいの?」

「はいっ昨日お会いしたサムさんにも云われました、沖縄では東京の半分しか払えないよと言われました、又うちのマークさんは【今はロット商売だが、今度は小売り商売になるので、充実感が違うよ】と念を押されましたが、是非チャレンジしたいです」と健一君の気持ちは変わらず、今はチーフとして仕切って、那覇空港に迎えに来たのも自分の意志だ。

ブラウン夫妻の今回の上京から紅葉狩りも、サムの離職の前祝い見たいなもので、クリスマス前に富士山の麓に移住するスケジュールも決まった。

カイトからサムにプレゼントはベットに寝ていても見える富士山だ(^^♪

これはブラウンに贈りたかったが、彼は沖縄から離れないだろうから、功労者のサムに贈り労った。