恋のライバル 3
あるお客さま、結子さんのお話しです。
『恋のライバル 1』は、コチラ
『恋のライバル 2』は、コチラ
結子さん「達也さんと少し仲良くなれたかな…という感じのところまで来たんですが…のんびりしていたせいで…、やっぱり、ライバル現れました。しかも、手遅れです」
私「え?」
結子さん「後輩の女の子と付き合うことになったらしいんです。」
私「後輩と?」
思わぬライバル出現にびっくり‼
私「…でも、〝らしい…″って事は、結子さん自身が確認したわけじゃないのよね?噂?」
結子さん「はい。亜由美から聞きました」
私「う~ん…。」
話の出どころが亜由美さんか…。
とりあえず。彼の身の回りを占うと、恋愛につながる女性関係が特に無い…。
後輩と付き合うことになった…って、本当なのかな…?
私「ところで、亜由美さんは、仕事は上手くいってるみたい?」
結子さん「順調だった仕事も、ここのところちよっとトラブルが起きて、ちょっとイライラしてます」
私「なんだか、結子さん、いつも亜由美さんの言葉に右往左往してますね。真実は自分で確かめてみた方がいいんじゃない?」
結子さん「そうですね。自分で確かめてみます」
…そして、数日経って…。
結子さん「達也さんと偶然帰り道、駅まで一緒になって…。勇気を奮って本人に直接聞いてみました。」
私「すごい!頑張ったね!…で、どうだった?達也さんは、後輩と付き合ってたの?」
結子さん「確かに、同じ大学の女の子の後輩と飲みに行ったりしたらしいんですが、付き合ってはいない…と言ってました」
私「良かった!」
結子さん「それどころか、付き合って欲しいと言われました」
私「え?ホントに?!」私は、勢い余って、拍手してしましました。
結子さん「あ、違うんですそういう"付き合う″じゃなくて、後輩の子が社内でイジメにあってるらしくて、達也さんはその相談にのってあげてたらしくて…。男にはわからない部分もあるから、今度一緒に後輩の相談にのって欲しい…と。」
私「…あ、そうなのね…、勝手に勘違いで先走ってしまいました」
結子さん「相談にのってあげて大丈夫でしょうか?私が首を突っ込んで、厄介なことにならないでしょうか?正直、そういう話は、苦手なもので…」
テーブルには「友情と愛情」を表すカードが…。
私「確かに、難しい選択ですね。相談にのってあげた方がいいんだけど、引き際が肝心。あまり深入りすると、達也さんとも、ただの友達になってしまう恐れがあるから…。」
結子さん「わかりました。『引き際』がわかるかどうか、心配だけど、とりあえず前進してみます」
そして、数日後…。
結子さん「とりあえず、イジメにあってるという達也さんの後輩の話を聞いてきました。
社内の彼女のパソコンに届いた嫌がらせみたいなメールも読みました。差出人は誰だかわからないアドレスでしたが、特徴のある書き方…というか、言い回しの文章だったんです。」
私「え?知ってる人?……もしかして…。」
結子さん「亜由美でした。私は、達也さんに相談されたことを内緒で、亜由美に『達也さんの後輩が嫌がらせのメールで悩んでる』と話してみました。すると、すごく興味を持ってきたので、『達也さんが、犯人探しをするって言ってたよ』と言いました。そしたら、それ以来、イジメメールは届かなくなったみたいです」
達也さんの力になれた…という達成感が、結子さんに自信をつけていたようですが、いつの間にか、恋よりも、イジメの解決に乗り出している結子さんが、引き際を逃して、『友人』になってしまわないか…と心配になりました。
……つづく。。。
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