スキー場の幽霊、その2 | 占いと演出・織塚紫帆の頭の中

スキー場の幽霊、その2

4人部屋の寮に、「幽霊がいるらしい…」と、
霊感体質の友人の爆弾発言の後に起きた不可解な出来事…。


そんな体験も忘れ掛けた頃、私は風邪をひいて熱を出したガーン

その日は仕事を休んで、寮の部屋でおとなしく寝ている事に…ぐぅぐぅ

「ただいま、11時をお知らせしますビックリマーク
とスキー場のアナウンスが聞こえる。

お昼になるというのに、熱のせいか、思うように寝付けずに、
うつらうつらとしていた。

すると、『ギィ』と入口の扉が開いた。

「あ、マキちゃん、お昼を持って来てくれたんだねおにぎり
と言おうとして、向き直ろうとしたら、体が動かないあせる
声も出ないガーン
私は壁に向いたまま金縛りにあってしまった汗

『ミシッ、ミシッ』

謎の訪問者が近づいてくるあせる

私は無意識に『マズい叫び』と思いました。

だけど、何もすることが出来ず、固まったまま。


謎の訪問者は、枕元にドスンと座り、タバコを吸いはじめた。

『スゥー…スゥー』と煙を吐く様な音DASH!

その時、数日前に夜中に『ギィ』と扉が開いた音がして、
みんなが怖い思いをしたことを、不意に思い出した。

今、この部屋には、私しかいないわけだし…。

どうしよう…。

謎の訪問着は、煙草を吸い終えたのか、今度は立ち上がり、部屋の中をゆっくりと歩き回る。

しかも、あきらかに”人の気配”ではない。

『ミシッ…ミシッ…』

ひとしきり歩くと、今度は窓際へ…。

そして今度は、窓を『ガタガタ…』と揺らす…。

あきらかに、不自然な行動……ドクロ

『お願いビックリマーク早く出て行って!!』と心で叫んだ。

たまたま、少し前に読んだ”心霊特集”の雑誌に、心霊現象に遭遇した場合の対処方法として…、
「私はあなたのためにしてあげられることは、何もないから、帰って欲しい」と心で唱えればいい。
…と書いてあったので、とりあえずソレを試してみた。

すると、急に『ガタガタ…』がおさまった。

すぐには身動きがとれませんでしたが、少しして、音も気配も感じられなくなった時、金縛りが解けた。

恐る恐る振り返ると、誰もいない。出ていった形跡もないのに…。

もちろん、扉も開いていない。

いろいろ考えると熱が悪化してきたように、頭がボーっとしてきた。

「寝ようあせる考えるのやめようあせる

と思って布団を被ると

『コーン』『コーン』とスキー場のわずかなざわめきに混じって、微かに聞こえてきた。

さらに続く。