生まれて初めて占いを当てた時 | 占いと演出・織塚紫帆の頭の中

生まれて初めて占いを当てた時

私が生まれて初めて占いを当ててしまった瞬間がありました。それは、とても辛い“当たり方”でした。

M子ちゃんとは、中学から高校まで、同じクラスになった事は無かったのですが、家が近所と言う事もあって、雨の日など、いつも同じ時間のバスに乗る様になり、気の合う仲良しでした。
彼女は私と同じく“不思議な事”に興味を持ってたので、特に気が合ったんだと思います。私も当時手相や占いの本を読みあさっていた時期でした。

ある日、手相の話しになり、彼女の手相を見て、「近い将来、事故に気をつけて!!命を落とす危険があるよビックリマーク…特に、水に注意した方がいいよビックリマーク」なんて、覚えたての知識で熱く訴えました。だけど彼女は、手相には否定的だったので「馬鹿じゃな~い」と笑いとばしていました。私も知識を否定された気がして「大変な事があっても知らないからむかっ」と、その時話しはそれきりでした。

私が社会人になった一年目の年、彼女の訃報を聞きました。
彼女は心臓が弱かったらしく、冬のある日、浴槽の中で心臓麻痺で亡くなっていたらしいです。
しばらくしてから、ふっと二人の昔の会話を思い出し、「知らないからむかっ」と怒り混じりに不用意に言ってしまった私の言葉に、彼女は一瞬傷付いた顔をしたのを思い出して、涙が止まりませんでした。