【炬燵遊戯】突然の映画感想『ラ・ジュテ』※ネタバレしまくり注意



読者の方どうもこんにちは。脳内フリーターズの炬燵でブログ作成プログラム『炬燵遊戯』でございます。担当のキャップ谷岡です。よろしくお願いいたします。
今回はうちのブログ初となる映画感想です。最近映画を観ましたので感想を語りたいと思います。作品はこちらです。1968年のフランス映画の『ラ・ジュテ』でございます。


わたしもそうですけど、うちのブログの関係者って集中力が減退してきて一本の映画観るのもキツくなってるんですけど、そんな落ち着きの無いわたしでも安心な28分の作品です。たまたまyoutubeのおすすめで出てきまして、作品名は知ってましたし、そのリメイク作品と言われる『12モンキース』は観ましたので「アンハッピーな話なんだろうな」というイメージで食指が伸びませんでしたが、いい機会だから観てみようと思い、観てみました。わたしの無知ゆえに初見でびっくりしたのですが、静止画だけで構成された映画なんですね!「この手法なら我々にも作れるんじゃないか?」などと考えてしまいました。思い上がりも甚だしいですね(苦笑)。

ラ・ジュテ』のあらすじ

『ラ・ジュテ』の舞台は第3次世界大戦後の廃墟と化したパリ。戦争を生き延びたものの放射能により地下で生活する羽目に陥った科学者たちが、“過去”と“未来”に救済を求めるストーリーだ。


彼らは少年時代の記憶に取り憑かれた捕虜を選び出し、彼を使ってタイムトラベルを試みる。彼の心には少年時代に空港の送迎台で見た女性のイメージが焼き付いていた。実験台での注射で過去に送り込まれた捕虜は、女性と再会するが……。



正直このタイミングで観て正解だったと思います。大塚明夫さんの素晴らしいナレーションで物語が分かりやすかったです。オリジナルは静止画と音声だけらしいので、ちんぷんかんぷんだったと思います。
そして本編なんですが、ザックリ言ってタイムスリップ映画です。かなりザックリしてますけどね(苦笑)。で、そのタイムスリップの方式が独特です。タイムスリップする人間の記憶をたどってその記憶の中の時間に意識を飛ばして…といういろいろと頭の中に「?」がうかびまくる方式です。「それでどうやってタイムスリップしているのか?」とか「具体的にどうやってタイムスリップ先の世界と肉体的接触を行っているのか?」と様々な疑問が浮かぶのですが、その世界ではそれでタイムスリップできているのだからそれでいいのだと納得しました(苦笑)。
タイムスリップ描写に関しては釈然としない部分もありましたが、しかし物語の本筋はかなり唸らせられました。なんというか…ハッピーエンドでありアンハッピーエンドな映画なんですよ。このへんリメイク作品と呼ばれる『12モンキース』が単なるアンハッピーエンドな結末だったのに対し『ラ・ジュテ』はかなり捻った結末になっています。人類の未来としてはハッピーエンドなんですよ。しかし主人公個人としてはアンハッピーエンドなんですね。
具体的に説明いたしますと、主人公は人類の未来を切り開くために、研究者たちからタイムスリップしてある女性と接触することを命じられます。その女性が未来を切り開くキーパーソンなんですね。そしてそのキーパーソンの女性と接触することによって人類の未来を切り開くことに成功します。未来にタイムスリップして未来の人類の存在を確認できたんですね。すなわち人類は滅亡していなかったというわけです。ここで終わればめでたしめでたし…なんですけどね(苦笑)。
未来人と接触した主人公は「我々と一緒に暮らさないか」と誘われます。しかし主人公は過去に戻って、タイムスリップ先のキーパーソンの女性と過ごしたいと希望します。要は主人公はその未来を切り開く計画のために接触した女性に「恋してしまった」ということです。その希望を未来人に受け入れてもらい過去にタイムスリップして過去の女性のもとに向かう主人公は…研究者によって始末されてしまいました。
要するに研究者たちにしてみれば、女性と接触して未来が切り開かれたのだから主人公とキーパーソンの女性の接触まででいいわけです。そこから始まるラブストーリーは不要なわけです。下手すれば未来がまた変わってしまう可能性もありますから余計なことをされては困るわけですね。しかし主人公にとっては「出逢ってしまった」運命かもしれない相手との未来が最重要事項になってしまっていますから「人類の未来とかどうでもいい」状態なんですね。そのへん細かく描写されるわけではありませんが「全人類の幸せ」より「個人の幸せ」を追い求めてしまったために起こった悲劇…というのがかなり唸らせられました。
あとかなり独特なタイムスリップ方式も精神世界でのタイムスリップということで「この物語そのものが精神世界で起こっていることなのではないか?」という見方もできてかなり独特な感触の映画ですね。語彙力が無いので「独特」ばかり使ってますね(苦笑)。しかし静止画のみという特殊な構成のみでなく、全てにおいて「独特」な映画だったという印象です。正直「12モンキース」より面白かったです。比較するなという話ですけどね(苦笑)。
ということで短い映画でしたけどかなり前頭葉を刺激されました。良い時間を過ごせました。
それでは現場からは以上です。読者の方お付き合いありがとうございました。また次回です!

【終劇】

〈制作スタッフ〉
谷岡 敦(キャップ)

〈文責請負人〉
葛井 徹(中の人)