昔から人からギョッとするような話を聴かされる私。
先日プチ認知症の患者さんに「長女は亡くなっているから」と聴かされ、
「あぁ、そうなんですか、お若くして亡くなられたんですか?ご病気?」と尋ねたら
患者:「いや、〇〇崎の先端から海に飛び込んじゃって」
What…??
まさかのDIVE系…?
患者:「なんか、ちょっと気がおかしくなっちゃったんだろうね~」
でしょうね~
ちょっと認知症状のひどい人だったから冗談だろうな~と思っていたんだけど、やっぱりいつも
次女さんしかお見舞いに来ないし、長女さんは見たことなくて、別の日に枕元に綺麗な
千羽鶴が飾ってあたので、「綺麗ですね、誰か作ってくれたんですか?」って聞いてら
「長女だよ、もう亡くなったけどね~」という話になって。
やっぱりDIVEの話は本当なのかな?だったら二度聴きするの止めよう…
他のナースに聴いたらみんな娘さんがDIVEした話は聞いてないらしく、たまたま話題の
延長線上で何となく〇〇崎から飛び降りたこと、この人なら話しても大丈夫と思ったのか
話したくなったのか…。
あんまり驚くような話されても私そんなに動じないからな…ま、でもたまたまだと思おう!
その認知症の〇〇さん、毎日リバスタッチパッチ張り替えている。
次女さんはこれでもかってくらいお見舞いに来て仲良さそうな親子だった。
でもはっきりとした口調で長女はそのような結果で亡くなたっと話していた。
人生色々と大変なことがあるな。きっと当時は大切な長女を亡くして辛かったろうな。
苦労しているんだな…と思ってその後は長女の話には触れずに患者さんは退院していった。
その数日後、下肢をバキバキに骨折した患者さんのシーネの固定をし直ししていた時、
痛みを紛らわすために別に話題を振っていたら出身地の話になり、患者さんは地元から
かなり遠い県に嫁いで、しばらくは東北の方で生活していたそう。
しかし親もいるからということで地元のこちらに旦那さんと戻ってきて、旦那さんは
東北の自分の地元にも家があるから行き来していたらしい。
ある日東北の実家に旦那さんがひとりで戻って自宅の整理などをしていた時に自宅が
火事になり、旦那さんは焼死してしまったという…。
えぇ?
まさかのBURN!!!!
思わず私も
「え?丸焦げ!!!?」
(もうちょっと配慮した言葉はなかったのか…)
患者:「そうそう、丸焦げ。死体は見せてもらえなかったよ」→結構ノリノリ
(その相槌)
その後どうやって声かければいーんじゃい!!!!
お二人の話はとても衝撃的でしたが。
でもある程度自分の中で折り合いをつけて、辛いことも年月かけて消化して、
だからこそ人に話せたのかなとも思ったりして。
骨折した患者さんは夫がそのような形で衝撃的な死を遂げた後も、色々と苦労が
あったり心が折れることがあっても、現在の下肢骨折の痛みが人生で一番つらいと言っていた。
だから私の励まし方は恐らく間違っているとは思うけど、「〇〇さんは人生でもつらいことを
いっぱい乗り越えてきたんだから、今回も手術すれば少し痛みが取れてくるから一緒に頑張ろう!」
と頑張っている人に言ってしまうおたんこなーすな私。
新人の頃は手術室勤務だったので術中も医師からも同僚からも先輩からもプリセプターからも
常に見られている。見られていることに動揺するな、動揺したら患者に動揺が伝わるから焦っても
焦っていないように振る舞えと先輩に教わった。
患者から「私欠陥細いから針入らないのよね~、何度も失敗されて~」とプレッシャーをかけられても
私は顔色一つ変えない。いやいや、そんな私でも動揺することは多少なりともありますよー。
みんな人生において辛いことも折り合いをつけて生活してきているんだなって。
私もいつまでも夫がどうのこうのってウジウジしてんのやめよ。
ってあんまりウジウジはしていないけどね。