家族が手術・入院・病気休暇を伴う病気になるとお金がかかります。

 

さて、今回のシリーズは(もうシリーズにならざるをえない)夫が脳腫瘍になってかかった我が家のお金問題を赤裸々につづっていきたいと思います。

 

我が家は夫が自営業(カフェレストランオーナーシェフ、従業員は雇っておりません)そして妻の私が看護師という家庭です。私は東京の某看護師派遣会社の契約社員で、そこからS県の病院に派遣されています。夫のお店が勤務先の近くですごく美味しくてお気に入りで通っていて、何となく話をしているうちに「飲みに行こうよ」って話になり、お付き合いを始め、私も転勤になることなくそのまま勤務先も変わらずで結婚してしまいました。

 

夫は自営業なので国民年金、国民健康保険に入っていましたが、もちろん私の方が収入が多いので結婚してから私の扶養に入っていました。第3号被保険者というわけです。

 

夫の収入がないわけではないですが、観光地ということもあり、夫の収入は毎月安定しません。赤字にはならないけど、ギリギリという月も無きにしもあらず。まぁ、夫婦2人で子供もいないし、2人でやってければいいじゃない、というスタンスの家庭。脳腫瘍が発覚前は夫が家賃水道光熱費を支払い、私がその他を払うスタンスでした。家計は一緒にしていません。

 

夫が脳腫瘍になった時点でお店をしばらく休んだり、ゴールデンウィークの営業はなんとかしましたが、その後頭蓋内圧亢進症状がひどく出て緊急入院をしたり、術前は下肢の力が入らなくなったり、歩く速度も遅くなってしまい、眩暈もひどかったのでお店はほぼ休業状態。働ける状態でもなく。

 

私たちは地方に住んでいて周りに夫の身の回りの世話を頼める人もいなかったし、私が夜勤中に痙攣やてんかんの発作を起こされても困るので(結果としては意識消失を伴う大きな発作はなかったですが)私も公休と有給休暇(確か20日以上残っていた)を使用し、5月15日付で派遣会社そのものを辞めました。その先は働いていないのでお給料はありません。ちなみに契約社員扱いだったので年俸制、退職金もなしです。

 

夫の第4脳室に食い込んだ半端ない大きさの脳腫瘍を見て、手術をしても絶対に後遺症が残ると思っていたし、摘出後身体のどこかに麻痺が出るかもしれない、障がい者になるかもしれない、働けなくなるかもしれない、しかも術前の夫の認知症患者並みの物忘れの酷さから、一生このままだったらやっていけないと絶望のどん底にいた術前。

 

ここで自営業の人が病気になったら…ということですが、自営業なので会社員のように病気休暇とか傷病手当的なものはありません。夫のように第3号被保険者であっても出ません。会社員はある程度優遇されたり、会社で計らってくれるところもありますが(私が以前子宮筋腫の手術をする際は派遣会社も派遣先の病院もものすごい気を使ってくれて有給休暇も出してくれて、さらに勤務を変更してくれて5日間の入院だったのに1週間以上休みをもらえた)自営業の人が病気になるって本当に大変ですよね…。病気で休んでいても傷病手当はないし。夫の場合、もし術後の経過が良かったらまたお店を再開したいという強い意志があったのでお店もそのまま借りていたので、毎月の固定費用は確実に出ていきます。

 

夫は堅実な人であったので、かならず毎年の売り上げの中から働けなくなった場合やお店の修繕費用、その他のために少しづつ資金を貯めていましたので、これがまさに役に立ったのは皮肉ですが…。

 

まず地方都市(過疎地ね)から最初かかっていたA市の病院まで車で2時間。ガソリン代や駐車場代、緊急入院の際は私も泊まり込みで宿泊代、犬を面倒見てくれる人もいないのでペットホテル代などがかかります。毎日の食費、時間がないので洗濯をコインランドリーで済ます、元職場へのご迷惑をおかけしました、退職しますのお品代など、細かいお金も出て行って、さらに入院費の支払いと。高額医療費制度を使っても入院中の食事代や身の回り品の支出はありますから。

 

女子医大で手術が決まっても、術前検査、受診で何度も行き来をして、夫の足元が危ないことと、脳腫瘍が脳実質を圧迫して夫の短期記憶が保持できないこと、説明を理解できないことなど私がほとんど24時間付き添い、受診にも必ず同行であったので交通費、宿泊費は常に2人分出ていきます。ちなみにS県から女子医大までふたりで往復交通費が2万4千円/回かかり、それに宿泊費、食費がかかります。

 

夫の手術の時はウィークリーマンションを借りるか、犬は誰に預けるのか、もう目の前の問題は山積みでした。例え手術が終わっても身体に障害が残れば、当時S県で住んでいた家は街からも遠いし、車の運転ができなかったら住めない場所だし、自宅に入るまでに坂道+階段もあるし、段差も多いことからもうここには住めないだろうと思っていたし。

 

夫が働けなくなって、さらに介護?的なものが必要になったら、でも私は家庭を支えるために仕事をしていかないといけないから、地方都市だと看護師の給料もパートも賃金が安いし、まず働く場所がないし、障がい者に対する福祉も手厚くないし、女子医大も新宿だからもういっそのこと引っ越ししようという結論に達し、都内に引っ越しを即決しました。

 

レイチェルメモ☆

去年の4月15日、脳腫瘍発覚。

5月GW 夫とお店営業

5月30日都内に引っ越し

6月7日夫の脳腫瘍摘出術

6月下旬夫退院