夫と私の共通の趣味。
 
以前は一緒に晩酌をすることだった。
 
私はお料理が結構好きだったので、自宅ではよくおつまみを作って、ちょっと贅沢な調味料なんかも揃えて、日勤が終われば自宅に帰って料理を作って夫を待ち、夜勤明けは道の駅に寄って新鮮な野菜や果物を買って帰って、夜に備えて午後から料理を作って。
 
夫はほぼ休肝日なし生活。私は夜勤の日が休肝日という典型的なのんべい夫婦だったのですが。
 
夫の脳腫瘍が発覚してから手術を受ける日まで、最初のうちは変わらずお酒を毎日同じペースで飲んでいた夫。ビール350ml×2本、その後赤ワイングラスで2杯くらいが一日平均量。この量を女子医大の教授様にお伝えしたらめっちゃ怖い顔で「それは1日量?」(二度聞きされた)「明らかに飲みすぎですね」と冷静に言われた(汗)
 
私もいつもそれくらいの量を一緒に飲んでいて、普段は無口な夫もお酒が入ると陽気になるし、言葉数も増えるし、私たち夫婦の大切なコミュニケーションでもあったのに…。
 
脳腫瘍が発覚した時、脳腫瘍は4㎝大で、腫瘍の周りの脳実質が圧迫されて周りが浮腫んで大変なことになっていた。脳は頭蓋骨に囲まれているため圧迫を逃すことができず、パンパンになっているんだけど…まぁ、その状態で飲んでました、夫。
 
発覚当初は物が二重に見えるとか、短時間の立ちくらみしか症状がなかったし、いきなり脳腫瘍と言われても手術までに2か月待ち時間があるし、大好きなお酒の誘惑もあるし、夫の両親は心配して福島から押しかけてきて、両親も夫も東北の人だからお酒なしの生活なんて考えられないし…。
 
で、脳腫瘍発覚からしばらくはペースを落とすことなく飲酒を続け、4月の下旬。浮腫みがひどくなったのでしょうね…(当たり前)頭蓋内圧亢進症状が悪化し、いつもは治る頭痛が治らず、だんだんひどくなってくる。
 
当時はまだS県に住んでいたので、女子医大を紹介してくれたA市の総合病院の救急外来に電話をかけて、頭痛がひどくなっているので緊急で連れて行ってもいいですかと事情を話し、2時間かけて私が車を運転しA市の病院へ行き、そのまま入院となりました。
 
どんなに頭蓋内圧が上がろうが手術の日にちが早まるわけではないので、とりあえず脳の浮腫みを取るグリセオールを点滴。5日間ほど入院しました。当日は夫を病院に連れていくので頭がいっぱいで、入院になっても必要最低限のものしか持っていかなかったのと、自宅に愛犬を置いてきてしまっていたので、入院当日は私はまた2時間かけてS市に戻って、翌日朝早くに入院に必要な荷物などを持ってまたA市へ。このクッソ医療過疎地、マジ消滅しちゃえって思うくらい通院は困難を極めるわけです。なんでこんなところに人間が住んでいるんだよって私は常日頃思っています。こんなことを言って住んでいる人にも申し訳ないと思いません。本当に不便だから。
 
5日間のグリセオール点滴で夫は脳の浮腫みもやや軽減し、頭痛薬も処方されて顔の浮腫みもすっきり取れて退院となりました。退院時にこの時から長いお付き合いになるイーケプラを処方されました。A市の主治医は気さくな人で何でも話やすかったし相談もしやすかったんだけど女子医大の教授様は以下省略で(笑)
 
A市の病院を退院したあと夫は頭蓋内圧亢進症状である頭痛のひどさに懲りたのか、でもやっぱりお酒は飲みたいし…飲む量は少しセーブしていましたがお酒は飲んでいました。福島から両親が来たりしていたから付き合いでも飲むし。でもやっぱりアルコールだけで1日500ml以上は飲んで、しかも夜寝る前に飲むからただでさえ朝浮腫むわけですよ。脳ももちろん浮腫みますよね。
 
私も看護師だからそこのところなんかも予測できるのですが。脳腫瘍摘出後や現在放射線や抗がん剤治療をしている人のブログやmixiなどのコミュニティーで実際のところ、みんなの飲酒事情はどうなんだろうなぁってガッツリ記事や投稿を読んだり…。ちょっとくらいは大丈夫なんじゃないかなぁって思ったり。めっちゃ真剣に調べてしまいました。医療従事者に言ってもさずがに「飲んでもいいよ」なんていう人はいないと思うし、私も患者さんには多分そう言う。
 
でも心の中では「リスクを背負う覚悟で飲んでもいいんじゃないの?ってか、飲みたいんでしょ?」とつぶやいている自分がいる。
 
お酒問題その2へ続く(多分明日日勤だから夜に書くと思う)