そんなわけで、私はキスマイラッピングの新幹線に乗り込んだ。
中は、特にキスマイ仕様ではなく、いつものつばめ。
だが、やっぱりこのつばめがすごい。
実は私はつばめに乗るのは初めてだった。
新幹線が、鹿児島まで直通運転になった時、その新幹線のネーミングがどうなるか、話題になった。
私はその時、過去、様々な名列車に付けられた「つばめ」がいい、と思っていた。
そしたら、本当につばめになった。
ものすごく嬉しかった。
しかも、その新幹線の側面には、社長直々の「つばめ」の文字が描かれていた。
これには感動した。
つばめが走ると、沿線の人達が手を振る。
これ、水戸岡列車ではよくある事なんだけれど、やっぱりこの光景は嬉しい。
早く九州新幹線に乗りたいと思っていたが、なかなかチャンスがなく、気がついたら、みずほって名前の新幹線が、鹿児島に一番早く行ける新幹線になっていた。
みずほって、いつ、そんな事になってたん?
なんだかJR西日本の、東海の匂いがする。
しかも、今回時刻表を調べて初めて知ったが、つばめは、博多〜熊本間を各駅停車で止まる列車になっていた。
完璧なローカル新幹線の、つばめ。
憧れのつばめが、そんな扱いになってるとは。
でも、今回、初めて乗ったつばめは凄かった。
わざわざでも乗る価値は充分であり、数ある新幹線の中でも、最高の美しさ、乗り心地の良さだった。
まずドアを入ると、両横に、水戸岡先生のため息の出るような美しい絵画。
そして連結部を通ると、あのすだれのかかった化粧スペース。
外国の人達に見てもらいたいのはこっちだ。
みずほじゃない。
その後座席スペースに入る。
あの、有名な金色の壁が見える。
私は当初、金ピカの壁なんて、太閤秀吉の金ピカ茶室を連想して、この壁には期待していなかった。
ところが意外にも、この壁は、落ち着いていて、わびさびを備えていた。
茶室だ、、、、
車両を巡って見たが、各車両ごとに、座席の柄が違う。
これも、是非実際に乗って見てほしい。
ちなみに、つばめは自由席でも座席は一列4席の並びになっている。
実際座席に座ってみた。
そして驚いた。
まず、頭乗せの部分。
ここに頭を乗せると、ふんわり頭が沈むのである。
列車の頭乗せで、こんなに優しく頭を包んでもらえるなんて。
そしてもう1ヶ所凄いと思ったのは
膝のあたる部分だ。
写真でわかるだろうか。
膝のあたる部分が、わずかに斜め下に傾斜している。
この傾斜があるだけで、膝がすごく気持ちいい。
今まで新幹線に乗ると、さっさと足を組んでいたが、つばめで足を組んだらもったいない。
いつまでも、この柔らかさに膝を乗せていたくなるのだ。
熊本〜博多間を、つばめは50分で走る。
でも、正直もっと長い時間、この車内のこの座席に包まれていたかった。