自分は何回かお見合いをしたことがある
もうそのような機会はないと諦めていた
ところが自分は今まで知らなかったが、自分には許嫁(いいなづけ)がいた
その人と初めて会うことになった
要するにもう結婚することが既成事実のようになっている
だから 厳密には お見合いとは言えない
以下とりあえず お見合い と呼ぶこととする
その女性とは会ったこともなく、顔すら知らない
が、自分はどんな女性であっても結婚することが運命なのだと受け入れていた
今、まさに相手の女性と2人だけで初対面している
テーブルを挟んで相手と向かい合わせの席に自分が座っていた
『はじめまして』
相手の女性は紺のスーツを着ていた
黒縁メガネをかけ、黒髪が肩まで伸びていた
いわゆる事務員さん風の外見 だった
客観的に見て美人でもないが、不美人というわけでもない
この人と結婚することになるのか〜
もう自分のタイプも何もない
しかし、いきなり唐突にこう質問された
『オリオンさんの財産はどれくらいありますか』
一瞬 戸惑って、えっそこ?! と言いそうになった
財産がないわけではない
でも、まず相手の趣味とか勤務先役職などを聞くんじゃない
まるで銀行員か不動産屋に財産の査定をされているようだ
しかしまぁ、相手も自分のこと何も知らなくて結婚するんだから、まず一番大事なことは経済力だよなと自分を納得させる
なんとか気を取り直し、一応 貯金は◯◯◯万で、後は年収は◯00万ぐらいと伝えた
相手は表情を変えなかった
それがある意味 恐怖だった
この銀行員、 いや 女性がこの財産や 年収で納得したかわからない
しかし こんな打算的な結婚、先が思いやられる
しかもこの後、気に入ってるわけでもない相手とこれから引っ越し、その他の雑務を行うどう思うと気が重くなった
そんなことを思って気が滅入りそうになったその時、
ふと、目が覚めた
あ〜、よかった
今となってはその許嫁の女性とどういうつながりがあったのか
今の時代 断ることもできたのに、なぜ自分が許嫁と結婚することを受け入れたのか
謎である
結婚に対する自分の冷めた 見方本音が現れたのか
真っ暗な部屋の中、放心状態のまましばらく布団の中で横になっていた