夢の中だけに現れる駅がある
ある町に用事があり、出掛けた
そこは実際に存在する町だ
その町の事務所で用事を済ませての帰り道、何か周りの雰囲気が違う
事務所を出てすぐ、ある建物が目に入る
その建物は古いビルで壁が黒ずんでひびさえ入っている
ビルには「〇〇協会研修所」と書かれたプレートが張ってある
あれ、こんなところにこの建物があったっけ?
気にしてみていなかっただけかもしれないな
とにかく先を進む
そのうちなぜか見知らぬ道に出る
緩やかな登り坂がまっすぐどこまでも続いている
しかし、なぜか自分の中であの夢の中でしか会えない駅に行く道だという確信があった
吸い込まれるようにその道を進んでいく
登り坂を登り終えて今度は下り坂になった
しばらくしてトンネルに入る
あっ確かに見覚えがある
その見覚えがあるというのは夢の中での記憶だ
この暗いトンネルを抜けた先に急な左カーブがあり、そこを出るとあの駅前にたどり着くはずだ
どんどん進んでいくと確かにあの夢の中でしか現れない駅が現れた
そんなに小さな駅ではない
数人の学生やらサラリーマンが駅を出入りしていた
駅構内にコンビニのような売店もあった
路線図を見ると実際に存在する駅に列車で行けることになっていた
ただその路線にある駅はどこも自宅から遠く、とても降りた駅から歩いては帰れない
電車に乗ろうかなどうしようかなと逡巡しているところで目が覚めた
その夢の中だけの駅の名前は 野の花駅という
