放射線と妊娠・胎児について | フクシマハートネットワーク

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日本放射線公衆安全学会のQ&Aより転載

Q. 妊娠中に放射線検査を受けると胎児に障害がおよぶ心配はありませんか?

A. 妊娠期間中でおなかの赤ちゃんが放射線の影響を受けやすい時期は、妊娠初期のころで受精から8週くらいまでの期間です。この時期の胎児は比較的放射線に対し感受性が高く、影響を受けやすいので注意する必要があります。しかし、この妊娠初期は本人が妊娠したことに気づかない時期でもあります。
検査部位が下腹部以外(頭部、胸部、四肢、等)の場合には検査を受けても心配はありません。ICRPは妊娠初期の放射線被ばくにより影響が発生する可能性がある最低線量(しきい線量)をその被ばく時期に応じて次のように報告しております。

 

流産(受精~15日)100 mGy
形態異常(受精後2~8週)100 mGy
知恵遅れ(受精後8~15週)120 mGy

 

この線量を越えて被ばくするとかならず影響が発生するということではなく、100mGy程度では数%の割合で起こる可能性がある線量であることに注意してください。ICRP(国際放射線防護委員会)は医療被ばくの現状を調査し、1999年に放射線診断による胎児被ばくが妊娠中絶を正当化する理由にならないと明言しました。(ICRP publ.84)すなわち、通常の放射線検査ではしきい線量を越えるような線量を受けることはないので、妊娠中絶の必要はないことを指摘しています。