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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

熊本城の箱組みをじゃんじゃんやってます。
熊本城以外も混じってますが…

小さい6段は豊臣大坂城です。ご注文から2年以上…
木製模型もありつつ。

この箱組みは最後まで響くのでとても大切な工程です。ここで狂いがあると修正が大変。

ということは、建物の姿をちゃんと原寸図に起こさねばならないのです。

とにかくすごい量。ほんの数棟でこれだけ。

で、熊本城って本当に研究がされていないところが山ほどある。復元図面のある櫓も、写真と照らし合わせると寸法が違ったりしていて、模型図面としては使えないので、一から復元してます。
屋根の勾配さえ抽出できれば、瓦の本数からだいたい全体像が分かります。

勾配もキリのいい数字がスパッと出て気持ちいい。

こうやって地道に数えてます。
でも、瓦って定規なんです。これで全部建物の寸法出せちゃいます。


ただ、平面が直角のない不整形ばかりなのです。
古図の書き起こしもやってまして、それを測量図に合わせるとやはり誤差が出る。
まあ、学者さんは石垣が不整形だから大入母屋を使用したなんておっしゃいますが、それは平行四辺形か台形平面の話であって、平行ラインが1カ所もない不整形には入母屋はどんなに頑張ってもかけられません。立体で考えてもらいたいですね。

頭がこんがらがる。こんなんどうなっとるの、という話で。

まあしかし、建物として成り立っているので、答えはあるはずなのです。
面白いのは、写真だけじゃ分からないのです。誤差があっても古図と照らし合わせると、なるほど!と膝を打つことばかりで、楽しい作業でした。昔の大工さんは凄いですね。当時の大工さんの頭の中を追体験しています。熊本城のデザインって、全部必然性があってこの形なんだということがよくよく分かりました。
当然、CGのように全部角を直角にして誤魔化したりはしません。測量図通りの不整形平面でそのまま立体化します。

だいぶ図面は埋まってきました。

この週末は第一陣の原稿も二万字分とりあえず送りまして。

本格的に大変なことになってきました。

成果は全て本の中で。10月までしばらくありますが、どうぞお楽しみに!

そんな中、尾高の熊本城と松本城を入手し。

今年のうちに作るのが目標です。

そうそう、最後に!

豊臣大坂城の天守模型で美術協力しましたアマゾンプライム【MAGI 天正遣欧少年使節】は17日より全世界180以上の国と地域で配信開始されています。




ぜひご覧ください!


豊臣大坂城の一瞬の登場は第7話です。


エンドロールも見たことないくらい早いのでお気をつけください(笑)