福山城、広島城、宮島を巡る旅 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

週末、福山城研究家の野毛(のも)さんのお誘いを受け、福山城へ行ってきました。

福山城は2022年に築城400年を迎えます。そのプレイベントが9日と10日に行われたのです。


9日は内堀の現地説明会。
そのあと野毛さんと二人で城内探索。
これは鐘櫓の鐘が鳴る瞬間の貴重な映像です(野毛さん撮影)。城好きの二人が少年に戻っとる。

scene 1


この晩は深夜まで城談義となったのですが彼が生粋の備後弁じゃけえ、うつってしもうてのぉ。


2日目はイベントのメイン、石引き。小学生でも引けた!石工さんの貴重な解説も聞くことができました。


今回の福山城での学びは、天守前面の付庇と小天守(付櫓)について。
つなぎ目が変なんです、ということで。窓が….
こっちも…

気づかなかった。
そして見つけたのが石垣!小天守と付庇の台の石垣は大天守の石垣と1つも噛み合っておらず、被さっているのが分かります。多分増築の石垣です。

焼失前は付庇内部に向かって、大天守前面の窓が並んで開いていたそうで、正保城絵図にも天守は独立で描かれているとのこと。

もっと細かくいうと、古写真を見るとこのつなぎ目で付庇側の垂木幅などを細かく調整したあとが見られるそうで、付庇と小天守は後世の増築の可能性が高いようです。

ちなみに、福山城は研究が進んでおらず、このことを根拠をあげて指摘した方は誰もおられないとのことで。
(野毛さんと。)

野毛さんは福山城の古写真も大量に所蔵されており、とにかく細かく細部の寸法を調べ上げておられる最中です。恐らく、焼失前の福山城に今一番接近しておられるのでは、という印象を受けました。

彼の監修で模型を作る日がくるかも??

そのまま私は広島に立ち寄り

宮島。

千畳閣。

その小屋組。

千畳閣は秀吉により建てられ始めますが、途中で秀吉がこの世を去ったため未完成のままです。近年の修復時に軒瓦には金箔が押されました。もうだいぶ剥落して下地の朱漆が見えています。

そして帰ってくると岡山城のエッチングが完成して届きました!

天守がようやく完成に向けて動き出しました!