スケールも280分の1(※)と、シリーズの他のお城よりも大きく、作りやすいキットだと思います。
(※石屋模型店さんの計測では、実際は200分の1に近いスケールのようです。興味がある方はこちらのページ「城・石垣・建築」カテゴリの中の「彦根城」の項目をご覧ください。全体的に誇張やデフォルメがきつく、本物のイメージに近づけるためなのか二重目に実際には存在しない出窓があるなど、キット化にあたっての苦心が感じられます)
今回は使いやすいタミヤの水性アクリル塗料をメインに使います。
まず、白壁の塗装ですが、漆喰の質感を出すため、フラットホワイトにダークイエローをほんの少し混ぜて漆喰色をつくります。
それを壁面と屋根の裏にエアブラシで吹き付けました。筆塗りの方法は後で書きます。
エアブラシは2〜3度吹きで、薄い膜を重ねていくようにします。特に屋根の裏側は、屋根パーツの成型色がグレーなので、壁の色と同じ白になるまで漆喰色を重ねます。
筆塗りの場合は、必ず薄め液や水で若干薄めて、筆跡が残らないようにします。原液のまま塗ると筆跡が残ったり、モールドが埋まったりしてしまいます。筆塗りの場合も、一度で終わらせようと思わず、薄い皮膜で2度、3度と重ねます。
私はパテを使った改造箇所がある場合とレジンキャストのパーツを使うとき以外はサーフィーサーは吹きません。薄い膜を重ねていくので、一度目の膜が下地になってくれます。
熊本城の宇土櫓はグレーの上から荒土色を重ね、最後に漆喰色を吹いて仕上げています。
上塗り
新しい建物である飯田丸五階櫓はプラ板の白の上に直接漆喰色をのせて、まだ汚れていない白壁を表現しています。
このように、白壁といっても下地と白の使い方で微妙な表情の違いを表現できます。
次に下見板です。
彦根城の下見板です。白木に黒が塗り込んであり、それが雨でところどころ剥げたようになっています。
これを表現するのも重ね塗りです。
まずは木の色を塗ります。今回はフラットアースを使用。
筆塗りだとどうしてもはみ出しができますが、後で修正できるので気は楽に。
これで下見板の下塗りが完了です。
ちなみに飯田丸五階櫓の時は
白木色をまず塗り、
次回は下見板の上塗りからです。
戦車などのプラモデルは錆や汚れなどをいかに表現するか、というところでテクニックがどんどん進化して驚くべき質感を実現した作品がたくさんありますが、お城のプラモデルはなぜか質感表現があまり発達していないように思います。やってドライブラシとスミ入れという段階から一歩出たいと思いながらこの重ね塗りにたどり着きましたが、まだまだ表現の幅を広げていきたいです。