この気温の中でゆっくり固まったからか、透明レジンに原因不明の帯状の白濁が出てしまいました。
成分が分離した?
いずれにせよ私の技術の未熟さゆえですので、水面を作り直すことにしました。
年内にお届けできなかったことが残念です。
それ以外はイメージ通りに仕上がりました。
この高木は杉で、植えられたのは天明四(1784)年頃のようです。
城には通常、目隠しのために木が植えられます。松や杉が多かったようです。
藩の記録『事蹟諸鑑』によりますと、広島城本丸の堀端には、当初はエノキが多く植えられていたそうです。しかし、エノキは冬になると落葉して、城内が見透かされてしまうので、その間に杉を植えるように、と同書の天明四年の項に書いてあるそうです。
いつも言っていますが、復元模型や復元CGは、城の全体像を見透かすために作られるものなので、樹木は省かれたり、お飾り程度に表現されることが多いのですが、実際の姿は、外から縄張りが見透かされないように、樹木で覆って隠していました。ですので、本や資料館にある模型やイラスト、CGの類は、決してリアルな姿ではないことも多いということを頭に入れておかねばなりません。
広島城のこの杉の高木群も、原爆で壊滅するまでの広島城の景色には欠かせないトレードマークでした。
とはいえ、やはり模型としての見栄えも考えますから、木の立て具合には気を遣いました。