ジオラマ大坂城炎上製作記④土塀、小物、フィギュアなど | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

岐阜城の模型が朝日新聞の記事になったようです。
今週末のお城エキスポでも展示されます。私も最終日の25日には行きます!
この模型の今後の情報は岐阜城山上石垣整備推進協議会のfacebookからどうぞ。

さて、ジオラマ大坂城炎上、今回は土塀と水面、小物、フィギュアの製作です。
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自分で引いた図面に合わせて下見板張りパーツを製作します。
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白壁部分を追加して土塀の壁面パーツの原型が完成。
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この壁面パーツと屋根パーツをシリコンで型取り後、レジンで複製。屋根パーツには童友社のデラックス大阪城、デラックス安土城などを利用しました。
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壁面と屋根に金属線を通して補強接着、その金属線を貫通させてベースに固定しました。
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複製パーツの清々しさ。
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土塀の控え柱です。まずプラ棒を組んでいき
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塗装して切り離します。
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土塀を掛けたところ。城内側の下見板と柱はモールドを入れず描いているだけです。
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続いて水面の製作。四方に飾り木枠を取り付けます。
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水面の下塗り後、着色した透明レジンを流し込みます。水面の色はかなり思い切った色合いにしています。このような藍色にしたのは、夏の陣図屏風の水堀の色を意識した結果です。このジオラマのアングルが夏の陣図屏風のちょうど裏側に当たるので….
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波紋をつけて完成
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続いて詰ノ丸や天守台に立て並べた本陣旗。プラペーパーを使った、幅2ミリ、縦1センチのサイズです。
左より、プラペーパーから切り出し、ライターの火で炙ってはためきを表現、竿をつけて塗装して完成。
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これを立て並べました。
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こちらはフィギュアの製作。フジミの1/350艦船乗組員を使いました。プラペーパーで甲冑をごくごく大雑把に再現。脱出する千姫には被衣をプラペーパーでつくっています。
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塗装したところ。細かすぎて塗り分けテクニックが追いついていません、悪しからず…。姫はすでに死に装束だったと仮定して白の着付け。被衣は姫らしく朱に金の流水をイメージしました。甲冑の色も夏の陣図屏風を参考にその色合いを写し鮮やかにしています。
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フィギュアを配置したところです。フィギュアに比べると石垣の石がオーバースケールなことがよく分かりますね…
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さて朱三櫓のあたりに赤い吹き流しが見えます。豊臣家の馬印です。
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秀吉の馬印といえば、真田丸の最終回でも重要アイテムとなった金瓢箪に金の切裂の馬印が有名ですけれど、「おきく物語」に、大坂城落城の時、この金瓢箪の馬印が打ち捨てられていて、こんなものをそのまま捨て置いていては恥辱になる、と打ち壊して捨ててから逃げたとあります。
(↓画像は戦国武将  旗・馬印  旭青工さんの商品画像です。とても良くできていて欲しいと思ったらsold out…)
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ですので、朱三櫓の外には金軍配に茜の吹貫(吹き流し)の馬印を置いてみました。
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落城の日の朝、秀頼が一旦桜門の外まで出馬した時、茜の吹貫十本、金の切裂二十本、タイマイの千本槍を押し立てていました。夏の陣図屏風にも描かれていますね。
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(夏の陣図屏風。桜門外、総金の切裂と茜の吹き流しが見える秀頼の本陣。ただし秀頼の姿は直接は描かれていない)

金瓢箪の馬印もちゃんと描かれています。
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次回は植栽と炎上中の建物の製作です。