広島城④レイアウトと石垣 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

最近、ブログの更新回数が減っておりました。製作追い込み中でした。豊臣大坂城の製作記事も上げていきますのでこれからは更新頻度が増えると思います。

さて、建物の塗装まで終わっていました広島城のジオラマ作りに入っています。
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恐らく海外に発注したため、石垣が石垣に見えないのはこのキットの致命的な欠点です。
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さらに手前の水堀が再現されておらず、広い水堀に囲まれた広島城の雰囲気が出ていません。
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帯曲輪も狭いようなので、水堀と帯曲輪は自作します。

まず天守台および本丸の地面を切り離しました。
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今回はかなりレイアウトに迷いました。
広島城の天守は矩形の本丸隅に天守があり、周りを広い水堀が取り囲んでいます。小天守を二基従えていますので、正面から見たときに全ての建物が見えるように配置するとなると天守の隅を正面に持ってきて、斜めに配置することになります。

↓はごく初期の作品ですが、これも天守の隅が正面に来るように配置し、水堀の広さを表現しようとしています。
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↓はホビージャパンの2014年1月号に掲載された木村直貴さんの作品ですが、これも同じようなレイアウトです。
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当初、同じように正面に天守の隅がくるレイアウトを考えていました。
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しかし、空間的に何かしっくり来ません。

原因は恐らく、矩形の隅部分に向かって空間の動きがあるのですが(黄色矢印)、このレイアウトだと、動きの向かう先の水堀が一番幅が狭くなってしまうのです。
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なんだか気持ち悪いのはこのせいだと思い、あれこれ考えた挙句、このようなレイアウトにしました。
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こうすれば天守の隅の先の水堀の幅が広く取れ、空間の動きを遮断しません。
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地面の断面が出る割合が増えるとはいえ、どの方向から見ても変化のある景色が出ることも分かりました。
これに決まるまで3日悩みました(笑)。

レイアウトの決定後は早速立体化。石垣の質感を統一するため、今回はパテを盛って彫ることにしました。
スチレンボードで地形を作り、石垣部分はプラ板で覆いました。
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石垣部分にパテを盛ります。今回はタミヤパテではなくクレオスのMr.ホワイトパテを使ってみました。
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いつものように石を一つ一つ彫っていきます。
この作業に数日…